研究課題/領域番号 |
24659772
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
新開 統子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80301612)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 横隔膜ヘルニア |
研究概要 |
先天性横隔膜ヘルニア(以下CDH)は、合併する肺低形成と遷延性肺高血圧症のため、救命可能であっても低酸素脳症による後遺症や在宅酸素療法が必要となるなど患児のQuality of Life (QOL)は不良である。CDHの予後を規定する肺低形成に対し、Tissue Engineeringの手法を用いて児の臍帯から抽出した臍帯幹細胞をシート状足場に培養し、このシートごと根治手術時に患側肺へ貼付することにより、低形成肺の発育を促進する治療法を考案した。 まず、初年度はラットを用いた実験系を確立する。ラットでは、すでにナイトロフェンを用いたCDHモデルが確立されており、本モデルは患側肺の低形成を合併することが知られている。さらに、新生仔ラットからUmbilical Cord Wharton’s Jelly Stem Cells を採取、抽出しシート状に培養することを目的に実験を進めることとした。 妊娠9.5日目の母体ラットをガス麻酔下に鎮静し、胃管を用いてオリーブ油に溶解したナイトロフェンを注入し、実験モデルを作成する。ナイトロフェン投与で横隔膜ヘルニアができるかを予備実験として行ったが、初回は1匹もモデル動物ができなかった。当施設の動物実験センターではラットの繁殖は行っておらず、妊娠ラットを購入して行っているため、搬入2日目に薬物投与をせざるを得ず、ストレスなどによりナイトロフェンを嘔吐した可能性がある。まず、実験動物が確実に作成できることを確認する。 Umbilical Cord Wharton’s Jelly Stem Cells(WJSCs)を新生仔ラットから採取することを計画したが、ラットは一度に10数匹妊娠し、おのおのの臍帯は極短いため、ここからWJSCsを採取するのは困難であった。そのため、ヒトのWJSCs培養細胞を購入して利用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.モデルラット作成 妊娠9.5日目の母体ラットをガス麻酔下に鎮静し、胃管を用いてオリーブ油に溶解したナイトロフェンを注入し、実験モデルを作成する。ナイトロフェン投与で横隔膜ヘルニアができるかを予備実験として行ったが、初回は1匹もモデル動物ができなかった。期待したようにはモデルラットを効率的に作成できなかったことで遅れを生じた。 2.Umbilical Cord Wharton’s Jelly Stem Cells の採取 当初、新生仔ラットから採取することを試みたが、ラットの臍帯は極短く、帝切時にほとんど切れてなくなってしまうため、ここから採取することは困難であった。このことがシート作成を遅らせた。
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今後の研究の推進方策 |
1.モデルラット作成 モデルラット作成の数を増やし効率化する。また、当施設の動物実験センターではラットの繁殖は行っておらず、妊娠ラットを購入して行っている。そのため、妊娠ラット搬入2日目に薬物投与をせざるを得ず、ストレスなどによりナイトロフェンを嘔吐した可能性がある。より長い胃管を用いて確実にナイトロフェンの投与を行う。また、ラットの繁殖を試みてできるだけストレスのかからない環境でラットの飼育を行う改善を考慮する。 2.Umbilical Cord Wharton’s Jelly Stem Cells の採取 コマーシャルベースで購入できるWJSCsが数社から出ており、これを利用する。最も効率よくシート化できる会社のWJSCsを利用してシートを作る。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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