独自開発した超弾性代用気管コイルの有用性を高めるため、コイル周辺に形成される肉芽組織を抑制する方策を検討した。線維化に関係する細胞内mTORシグナルに注目し、家兎気管欠損モデルで肉芽組織内発現を検討したところ、20~40倍にmTOR活性は亢進し、mTORシグナルを抑制するラパマイシ投与により、5~15倍程度に発現が抑制された。しかし、術前からの投与では肉芽組織は病的な半液性に変化し呼吸器感染等を惹起するため、投与法を検討し術後2週より投与することで、この問題を克服できた。また、気管欠損部の修復機転には、細胞増殖活性低下など障害された機転が存在し、これらを改善することが次の方策と考えられた。
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