慢性皮膚潰瘍、外科的手術創部開放創において、明らかな炎症症状を伴う場合、あるいは膿汁を分泌している場合、また敗血症を伴う感染症の場合の創面あるいは骨髄のデブリドマン時に得られた組織を切除後急速に凍結し、-80℃で保存した。同時に定法にのっとった寒天培地による旧来の細菌培養を検査室で実施した。通常の培養法で検出された細菌は、MRSAとセラチア、緑膿菌、バイクテロイズであった。DNA解析用のサンプルは解凍後RLTバッファーで抽出したサンプルを滅菌したハサミを用いてホモジナイズした。遠心後、エタノール沈殿させ、DNA濃度が20 ng / μlとなるように調整した。抽出したDNAを27Fと509Rの2つのプライマーで細菌に固有の遺伝子領域である16S rRNAをコードしている領域を増幅した。シークエンス用に精製し、シークエンスを行った。これらの研究を東北大学病院検査部の協力を得て行った。現状の方法では、コストも多くかかること、更なる迅速化を計るため、今後のDNA検査の迅速化に向けて、インフルエンザ、ノロウイルスや多剤耐性緑膿菌にも応用されているイムノクロマト法を用いた迅速かつ、簡便に検査を行えるようにMRSAなど耐性菌に特異的抗原を同定を目指し、キット化を検討している。
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