• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

移植皮弁知覚の向上を目指して ー脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた研究ー

研究課題

研究課題/領域番号 24659783
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 興一  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90423178)

キーワード再生医学 / 皮弁知覚 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞
研究概要

前年度においては以下のモデル作成を行った。すなわち、32匹の野生型ラットにおいて両側島状鼠径皮弁挙上後、右側では腹壁神経を切断・結紮し(非知覚皮弁モデル)、左側では挫滅損傷のみを加えた(知覚皮弁モデル)。皮弁内へ細胞移植後、再縫着した。20週後、皮弁遠位部・中心部よりそれぞれ皮弁組織を採取した。
本年度においては凍結切片をニューロフィラメントマーカーである抗PGP9.5抗体で蛍光染色し、脂肪組織由来幹細胞(ASC)、ASCより分化させたdASC、およびシュワン細胞(SC)移植が皮弁に及ぼす影響を検討した。その結果、細胞移植後20週目においてdASC、SC移植により皮弁遠位部において有意な神経再支配向上を認め、その程度は非知覚皮弁においてより顕著であった。一方、ASC移植は神経再支配の程度に有意な変化を及ぼさなかった。皮弁中心部においては、何れの細胞移植も神経再支配に有意に影響しなかった。
また、各細胞の生存期間を検討する目的で短い生存期間のモデルを作成し評価を行った。その結果、細胞移植後、皮弁内においてASC、dASC、SCはそれぞれ14、7、14日目まで生存することが確認できた。
dASC、SC移植による皮弁内神経再支配向上の機序として、1)移植細胞により産生される神経栄養因子による皮弁周囲からの知覚神経再生の促進、2)移植細胞由来NGFによる周辺組織内非損傷神経からの側芽形成促進が考えられる。これらの効果は移植後早期、皮弁遠位部に限定されるものの知覚皮弁に加えて皮弁知覚向上に対する新しいアプローチとなる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Differentiated adipose-derived stem cells promote reinnervation of rat skin flaps.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomita K, Nishibayashi A, Yano K, Hosokawa K
    • 雑誌名

      Plastic and Reconstructive Surgery Global Open

      巻: 1(3) ページ: e22

    • DOI

      10.1097/GOX.0b013e318299134d

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Glial differentiation of human adipose-derived stem cells: Implications for cell-based transplantation therapy.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomita K, Madura T, Sakai Y, Yano K, Terenghi G, Hosokawa K
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 236(16) ページ: 55-65

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2012.12.066

    • 査読あり
  • [学会発表] 移植皮弁における正常知覚獲得を目指して ‐脂肪組織由来間葉系幹細胞移植による皮弁知覚向上の試み-2013

    • 著者名/発表者名
      冨田興一、西林章光、矢野健二、細川亙
    • 学会等名
      第22回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      新潟県新潟市
    • 年月日
      20131107-20131108
  • [学会発表] 脂肪組織由来間葉系幹細胞移植による皮弁知覚向上の試み -移植皮弁における正常知覚獲得を目指して-2013

    • 著者名/発表者名
      冨田興一、西林章光、矢野健二、細川亙
    • 学会等名
      日本マイクロサージャリー学会40周年記念学術集会 シンポジウム2 「知覚皮弁の適応と成績」
    • 発表場所
      岩手県盛岡市
    • 年月日
      20130926-20130927
  • [学会発表] Differentiated adipose-derived stem cells promote cutaneous nerve regeneration in rat skin flaps2013

    • 著者名/発表者名
      Tomita K, Hosokawa K
    • 学会等名
      5th European Plastic Surgery Research Council
    • 発表場所
      Hamburg, Germany
    • 年月日
      20130822-20130825

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi