研究概要 |
1.In vitro 実験 1)TM発現抑制内皮細胞での実験:培養内皮細胞においてTM、PC受容体(EPCR), PAR-1(Protease Activated Receptor-1;APC)をそれぞれのsiRNAでノックダウンし、あるいはそれらの 抗体で当該分子をブロックして、1)内皮細胞のviability,形態を解析した。2)上清中のHMGB1濃度と分解の有無をイムノブロット法で解析した。3)上清中のヒストン濃度と分解の有無をイムノブ ロット法で解析した。①結果:トロンビンダウンレギュレーション内皮細胞をトロンビン、あるいはPAR-1 activating peptide で刺激すると正常細胞より強いアポトーシスが誘導された(約40%増加).トロンビン刺激でHMGB-1の細胞外遊離が促進されたがこれは生細胞からの遊離であった。ヒストンに関しては変化無かった。2)腹腔マクロファージ(マウス)、Raw細胞刺激実験 細胞をPAMPsの代表として:LPS, DAMPsとしてHMGB-1, あるいはATPで刺激すると、単独刺激よりco-stimulation の場合には強い相乗効果が観られ、IL-1β, IL-18の産生・放出が増強した。これはLPS刺激でNF-kB の活性化状態が準備され、次にATPあるいはHMGB1刺激で、インフラマソームの活性化が誘導されるためと考えられた。 2.In vivo実験 1)LPS,HMGB1,ATPなどの複数投与では、これらの単独投与に比較して、強い炎症が惹起された。2)遺伝子組換えTM(rTM)の投与はそれらに対し、救命的効果が明らかであった。これはrTMによるトロンビン制御のほかに、LPS やHMGB1 吸着中和、が関係しているものと考えられた。
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