本研究では、neutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL)の細菌鉄獲得阻害機能(静菌効果)に着目し、臨床的に問題となる感染症起因菌に対するNGALの静菌効果を検討するため臨床検体より高頻度に単離されるグラム陰性菌の同定調査を行い、大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌、エンテロバクター・クロアカエの上位3菌種を同定した。細菌のTuf遺伝子を標的としたreal-time PCR法では、NGAL15μgの添加でE.coliの3時間後の増殖が抑制される傾向を認め、高濃度NGALがE. coliに対して増殖能を抑制する可能性が示唆された。
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