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2012 年度 実施状況報告書

ヌクレオフォスミン:新規生体危険信号因子としての免疫活性化能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24659804
研究機関大阪工業大学

研究代表者

川原 幸一  大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)

研究分担者 丸山 征郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任教授 (20082282)
橋口 照人  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70250917)
伊藤 隆史  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任講師 (20381171)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード敗血症
研究概要

申請者らは、世界に先駆けて核タンパク質であるヌクレオフォスミン(以下NPM)が外来異物の侵入、そして、それに伴う炎症を察知し、生体に知らせる「生体危険信号因子(アラーミン)」であることを示唆する発表を行っている。NPM は、本来、細胞内では核の中心体に存在し細胞周期に必須である。一度、生体侵襲により NPM が、細胞外へ放出されると、サイトカイン産生を惹起する。アラーミンで最も有名な High Mobility Group Box-1 (HMGB1)は、遊走能のみでサイトカイン産生能は、他の分子との結合によると言われている。故に、NPM は、全くタイプの違うアラーミンである。しかし、NPM のアラーミンとしての機能及び、NPM の受容体に関する報告は皆無である。従って、本研究の目的は、アラーミンとしてのNPMの解析を行うことである。本年度は、NPM の免疫の活性化能を行った。具体的には、マウスマクロファージ様RAW264.7細胞を用いファゴサイトーシス能を検討した。あらかじめNPMをRAW264.7細胞に刺激を行い、その後、蛍光標識のFITCをラベルしたイムノグロブリンを添加した。FITCラベルのイムノグロブリンのファゴサイトーシス能は、フローサイトメトリー法により解析を行った。その結果、NPMの濃度依存的にRAW264.7細胞のファゴサイトーシス能が見られた。よって、NPMは、アラーミンである可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、細胞の核内に本来は存在しているヌクレオフォスミン(以下NPM)が新規のアラーミンであることを証明することである。アラーミンには5つの定義がある。それは、1.内在性の因子、2.迅速な細胞外への放出、3.恒常性の機能維持、4.受容体、5.免疫の活性化である。この5つの内、すでに1,2,3は証明してきた。よって、今後証明が必要なものは、4.受容体、5.の免疫の活性化のみである。本年度の研究結果は、ファゴサイトーシス能がNPM刺激により活性化されたことより、NPMは、アラーミンであることが強く示唆された。よって、本年度は、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

本年度の研究結果より、ヌクレオフォスミン(以下NPM)は、アラーミンであることが示唆された。しかしながら、NPMの受容体の同定などが未だ解明されていない。よって、今後は、NPMの受容体の同定を中心に、さらには、NPMとの結合阻害剤の探索を行なっていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度に多少高額な試薬を購入することになったため、今年度の執行を抑制した。次年度は、この繰越額とあわせて、細胞培養、フローサイトメトリー法の試薬、タンパク質検出(ウェスタンブロット法)などを行うための物品購入を行う予定である。また、研究成果の発表、研究打ち合わせのための旅費も使用予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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