研究課題
ヌクレオフォスミン(以下NPM)は細胞の核の中心体に局在し、生命の維持に必須なタンパク質である。最近、病原体の侵入時に、NPMは生体危険信号因子、「アラーミン」として振舞う。というのは、エンドトキシン刺激によりNPMが核から細胞質、そして細胞外へ移行する。その細胞外でのヌクレオフォスミンは、細胞を刺激し、炎症性のサイトカイン(インターロイキン-6など)を産生し、生体にとって有害な分子へと豹変する。アラーミンの定義は、1.内在性分子、2.迅速な細胞外への放出、3.恒常性の維持、4.受容体の存在、5.免疫の活性化である。1,~3.は証明されているが4.5.に関しては、未だ報告がない。前年度において、NPMはファゴサイトーシス能の検討において、上述の「4」、すなわち、免疫の活性化が示唆された。したがって、今年度の本研究の目的は、NPMの受容体の探索である。NPMの受容体の探索を試みた。大腸菌由来のリコンビナントNPMを用い、アフィニティーカラムクロマトグラフィー法によりマウスマクロファージ様RAW264.7細胞の細胞膜から単離を試みた。その結果、単離までには至らなかった。おそらく細胞膜の抽出の量、他の細胞(例.血管内皮細胞など)、すなわち、NPMに感受性の高い細胞を考慮し、そして、他の方法(Molecular Operating Enviroment(MOE)統合計算化学システムなど)により検討する必要があると考えられる。よって、今年度は、次年度以降につながる解析が得られたと示唆される。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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