研究課題
肝炎ウイルスに感染は、急性肝炎を引き起こすが、多くは治癒する。しかし、治癒せず、むしろ、致死性の高い劇症肝炎に進展する症例がある。しかし、どのような機序で劇症肝炎になるかについては、詳細には分かっていなかった。私たちは、マウス劇症肝炎モデルを用いて、異常凝固亢進がその本体であることを以前、証明した。当該研究では、この異常凝固亢進がどのようなしくみで起こるのかを明らかにする。当該年度では、炎症性サイトカインであるインターフェロンガンマと腫瘍壊死因子が、凝固の先導因子である組織因子の発現を誘導することで、異常凝固亢進を惹起することを証明した。さらに、インターフェロンガンマは、肝臓の組織マクロファージであるクッパー細胞や肝類洞内皮細胞に作用して、異常凝固亢進を起すことを証明した。その成果を、論文として、2013年1月に公刊した。
1: 当初の計画以上に進展している
初年度で、研究計画を完遂し、論文を公刊したため。
次年度は、異常凝固亢進に必要なIFN-gammaやTNFが、どのように制御されているか、また、Tissue factorの発現がどのように制御されているかを検討する。特に、Con A投与により誘導されるIL-33とそのシグナルに注目して、各種欠損マウス、キメラマウスを用いて検討する。
平成24年度に公刊した論文の投稿・別刷の経費に使用する計画である。
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Hepatology
巻: 57 ページ: 362-372
10.1002/hep.26027
http://www.hyo-med.ac.jp/faculty/course/microbiology.html