研究課題
当該研究計画は全て完遂し、得た成果を公刊した。当該年度は計画を前倒しして、IL-33/IL-33R系がConcanavalin A (Con A) 誘導性急性肝不全にどのような機序で関与するかを検討した。その結果、既に複数の研究者が報告しているように、IL-33欠損マウスやIL-33受容体欠損マウスはCon A投与により、野生型マウスに比べて、より重篤な肝障害を呈した。このことから、IL-33/IL-33R系は本肝障害を負に制御する可能性が示唆される。IL-33は、血球系のみならず上皮細胞をはじめとする多様な細胞種の核内に蓄積されるたんぱく質である。これまでの研究で、IL-33は、IL-33発現細胞が障害を受けることで細胞外に遊離し、サイトカイン活性を発揮すると考えられてきた。そこで、Con A肝炎モデルでも、障害を受ける肝細胞がIL-33の発現細胞であろうと作業仮説をたてた。この可能性を検討するために、IL-33欠損マウスと野生型マウスのキメラマウスを作製して検討した。その結果、仮説に反して、肝細胞を含む非血球系細胞ではなく、血球系由来のIL-33が重要である可能性が強く示唆される結果を得た。今後、この成果を受けて、IL-33の制御に関する分子機序の解明に着手する。
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