研究概要 |
Porphyromonas gingivalsで確立されている接合伝達によるBacteroides-大腸菌シャトルプラスミドの導入をPrevotella intermediaで検討した。臨床分離株を含む約20株を試したところ、臨床分離株の1株からtransformantが得られた。そこでこの株を用いて遺伝子特異的な変異株の作成を試みた。 最初に今後の詳細な解析に欠かせない遺伝子情報を得る為、この臨床分離株の全ゲノム配列の決定を行った。その結果第一染色体2280262 bp,、第二染色体867855bpのそれぞれのゲノム配列を決定した。この決定した配列から2799個の遺伝子を検出、T9SSに必須の遺伝子群のすべてが本菌ゲノムに存在することを確認した。次に得られた配列情報からT9SSの必須遺伝子、porKとporTの遺伝子特異的な変異株の作成を試みた。まず目的遺伝子をエリスロマイシン耐性遺伝子に置換したtargeting constructの作成を行った。作成したtargeting construct をBacteroides-大腸菌シャトルプラスミドに挿入、接合伝達にてP. intermediaに導入後transformantを得た。得られたtransformantからhomologous recombinationにて目的遺伝子が欠損した変異株を選択した。 本研究で作成したP. intermedia porK, porT変異株の性状を調べたところP. intermedia porK, porT変異株ではinterpain A活性が完全に失われていた。この結果によりP. intermediaへの部位特異的変異導入が可能になったことが示唆された。
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