研究課題
廃用性骨粗鬆症は、高齢化に伴う長期臥床患者や脳血管障害による下肢の麻痺患者等の増加により、急激に増加している。骨細胞は、メカニカルストレスを感知し、骨量を制御していることを、骨細胞突起の著減により骨細胞死を起こし、骨細胞ネットワークが破綻する骨芽細胞特異的BCL2トランスジェニックマウスを解析するにより明らかにした。Pdk4は、糖代謝でのエネルギー産生を抑制する酵素であるが、不荷重時に、骨芽細胞と骨細胞に発現誘導された。Pdk4ノックアウトマウスでは、野生型マウスに見られる非荷重時の骨吸収亢進が、ノックアウトマウスでは見られなかった。これは、4ヶ月齢のマウスで観察されたが、若齢マウスでは有意ではなかった。Pdk4が、破骨細胞分化・活性化に関わる分子をリン酸化することにより活性化あるいは不活性化する可能性を追求した。Pdk4は、ミトコンドリアターゲティングシグナル配列を持っており、大部分はミトコンドリアに存在すると考えられる。しかし、ミトコンドリアターゲティングシグナル配列を持たないアイソフォームも存在し、これが破骨細胞分化・活性化に関わっている可能性がある。実際C末端にGFPを付加したPdk4を細胞に導入すると、Pdk4はミトコンドリアに局在した。ミトコンドリア移行配列に変異を導入したPdk4を用い、細胞質にPdk4を発現させる方法を試みたが、細胞質に高発現させることはできなかった。そこで、Pdk4ノックアウトマウスと野生型マウスの初代培養骨芽細胞を用いて、Pdk4でリン酸化される基質蛋白質の同定を試みることにした。iMAC法によりリン酸化ペプチドを濃縮、液体クロマトグラフィーにて分離後、TOF MS/MSによる質量分析を行い、Pdk4ノックアウトマウスと野生型マウスの初代培養骨芽細胞でリン酸化ペプチドの比較を行っているが、現在までのところ両者間で有意に異なるリン酸化タンパク質は得られていない。
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