研究課題/領域番号 |
24659832
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
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研究分担者 |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 准教授 (00300830)
中西 博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20155774)
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 准教授 (20362238)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 三叉神経 / 神経障害性疼痛 / 舌神経 / グリア細胞 / ATP / P2Y12 / 三叉神経節 |
研究概要 |
24年度は舌神経損傷モデル動物を作製し、舌の機械および熱刺激に対する痛覚過敏およびアロデイニアの発症に対して、三叉神経節内に発現する衛星細胞がいかなる役割を担っているかについて、免疫組織学的および行動学的に解析を行った。舌神経を弱く圧迫すると、舌の機械アロデイニアおよび熱性痛覚過敏が発症した。この痛覚異常は舌神経障害後、約1週間ほど続き、2週間後にはその逃避閾値は損傷前の値に戻った。免疫組織学的検索により、舌神経障害モデルラットの三叉神経節には多くのGFAP陽性細胞発現が認められた。この結果は舌神経の障害により三叉神経節内に多くの衛星細胞発現が誘導されたことを意味する。さらに、神経節細胞からATPの放出が促進するという報告があることから、本モデルにおけるATPの痛覚異常に対する関与の可能性について検索を進めた。その結果、衛星細胞ではATP受容体サブタイプの一つであるP2Y12発現が有意に亢進することが明らかになった。また、P2Y12のブロッカーを三叉神経節に局所投与することによって、舌神経系損傷によって引き起こされた疼痛行動の亢進が有意に抑制された。さらに、本研究では三叉神経節内にP2Yのリガンドを投与することによって舌の機械アロデイニアおよび熱性痛覚過敏が引き起こされることを確認している。以上の結果から、舌神経の損傷によって、機械アロデイニアおよび熱性痛覚過敏が引き起こされ、この痛覚異常には三叉神経節に発現する活性型衛星細胞におけるP2Y12の合成促進が関与することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度は舌神経障害モデルの作製に成功し、その痛覚異常には三叉神経節内に発現する衛星細胞の活性化が重要な役割を担っていることを明らかにした。さらに、衛星細胞の活性化にはATP受容体サブタイプの一つであるP2Y12が関与することを発見した。このような研究結果は本研究プロジェクトをさらに発展させるために、重要な情報を与ええるものである。以上、昨年度は当初の目的を概ね達成できたと確信する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は三叉神経節内における衛星細胞細胞の活性化に関与する他の分子、たとえばNOやSPあるいはCGRPに注目し、三叉神経損傷による三叉神経節細胞活動の亢進に関与する衛星細胞の役割、および衛星細胞と三叉神経説細胞活動との関係について解析を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請者が所属する講座では、本研究プロジェクトを進めるための機器はすべて所有しているため、研究費は主に研究を推進するための消耗品および学会等における研究発表に使用する予定である。 今年度に実験する予定であった免疫組織的解析が少し遅れたため残金が生じた。その分で次年度に抗体を購入し、実験を進める。
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