研究課題/領域番号 |
24659851
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
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研究分担者 |
冨士 岳志 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20549323)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
竹内 裕尚 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80586511)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 印象採得 / 顎欠損 / 形状記憶ゲル |
研究実績の概要 |
研究期間全体の研究成果としては、上顎骨欠損患者の口腔内容積の実際の変化を計測することにより、必要とされるバルーンの容積を規定した。上顎亜全摘を施行された乳児患者術後における口腔内を通常に方法で作製した顎義歯、作業模型の欠損部の3次元データ(断面積mm2、縦×横mm)を非接触型3次元スキャナで計測した。顎義歯の断面積(縦×横)は、水平断:374.39(23.22×19.56)、前頭断376.77(25.28×18.52)、矢状断489.89(25.69×24.42であった。作業模型の断面積(縦×横mm)、水平断321.51(25.81×18.97)、であった。この顎欠損モデルを有する口腔内の3次元データとCTダイコムデータより、3Dプリンタ顎骨モデルを構築し、患者模型と合わせて、実験モデルを作成した。 最終年度の研究成果としては、上記データを参考にバルーンの拡張方法を様々方向から検討した。当初、空気圧にて拡張する方法を試みたが、拡張および収縮スピードのコントロールが難しかった。また強度にも難点があり、複雑な形態をバルーンのみで印記するのは難しいものと判断した。そこで、バルーン内部にガイドワイヤーを用いたバスケットカテーテルを挿入し、バスケットカテーテルの内部からの支持にてバルーンを拡張する方法を試みた。その結果、瞬時にバルーンを拡張・収縮することが可能となった。 非接触型3次元スキャナを用いての実測とバルーンによる形状記憶値との誤差を様々な欠損形態ごとに分析し、複雑な欠損形態に完全に合わせる方法を検討中であるが、顎欠損患者の複雑かつ広範な口腔内形態を記録した後、バルーンを再度縮小して撤去することにより、鼻腔や上顎洞に大きなアンダーカット部をも安全に印象できる新しい口腔内記録方法を開発に資することができた。
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