研究課題/領域番号 |
24659852
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
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研究分担者 |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 助教 (00508921)
月僧 博和 福井医療短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (80215136)
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キーワード | メカノバイオロジー / 骨リモデリング / 骨生涯方程式 |
研究概要 |
研究目的である、生涯骨密度変化を考慮した顎骨リモデリングの3次元シミュレーションコードの開発へ向けて、今年度は被験者モデルに対して年齢に対応した経年的な骨密度変化を加味した3次元シミュレーションコードを組み込んだリモデリング解析を行った。具体的には健常被験者のCTデータを用いて有限要素モデルを作製し、荷重条件を設定した経年的イタレーション計算によって骨密度分布の変化を観察した。これは、顎骨に対して加わる力的負荷による骨内歪みエネルギー応力分布と、それに伴うインターナルリモデリングを、骨密度生涯方程式を応用したうえで有限要素解析に組み込んだ、他に例を見ない手法である。シミュレーション結果から顎骨における骨形態・骨量・骨質および骨密度分布は生体内に近似した様相を示し、顎骨における骨密度変化予測シミュレーションとしての可能性が示唆された。 次年度以降、今年度のシミュレーション結果と蓄積したCTデータにおける骨形態計測および骨密度分布測定との比較検討により、顎骨リモデリングの3次元シミュレーションコードの実現が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究計画に準じて、昨年度に構築した有限要素モデルを再考し、成長係数の妥当性の検討を行った。また、実際の健常男性の有限要素モデルと当該モデルとの骨リモデリングの傾向を比較したところ、両者は近似した結果を得た。 本研究の結果は、顎骨骨密度の経年的変化を予測するコードを組み込んだ3次元顎骨リモデリング・シミュレーション確立への道筋に資するものである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に行ったリモデリングシミュレーションにおける解析条件の妥当性を検証し、さらなる精度向上を目指す。また、CTデータからの計測データとの比較検討によりシミュレーション結果および各種係数の妥当性の向上を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、被験者CTデータからリモデリングシミュレーションを行い妥当性の検証を行うことを目的したため、解析ケースを限定した。そのため、次年度使用額が生じた。 次年度は計測データと解析データの比較検討を主として行う予定あり、それに伴う解析ケースの増加および、学会発表や論文投稿に充てる予定である。
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