研究課題/領域番号 |
24659867
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
干場 隆志 山形大学, 理工学研究科, 助教 (00469769)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 細胞外マトリックス / 歯根膜細胞 / バイオマテリアル / 幹細胞 |
研究概要 |
歯根膜細胞を維持するための脱細胞化マトリックスを作製するために、平成24年度は扱いやすい癌細胞を用いて、脱細胞化処理の検討を行い、脱細胞化マトリックスを作製し、実際に培養まで行った。さらに、脱細胞化マトリックスのキャラクタリゼーションを行うための評価系を立ち上げ、PCR法、免疫染色法によるECM成分の評価系、細胞増殖、細胞接着数の評価系を構築できた。上記の評価系を立ち上げたことから、平成25年度には、実際に歯根膜細胞、間葉系幹細胞、線維芽細胞を用いて脱細胞化マトリックスを作製する。さらに歯根膜細胞を培養し、その接着性、増殖能を評価する予定である。また分化能については骨芽細胞、脂肪細胞への分化に注目し、その評価系を一部立ち上げた。 また平成24年度に研究系の立ち上げに作製した癌細胞の脱細胞化マトリックス上の機能を評価したところ、正常細胞が作製したマトリックス上では癌細胞の増殖が抑制された。このことは、発癌時において、癌細胞が増殖するためには、正常組織のECMを分解し、リモデリングを行う必要があることを示唆している。 さらに、抗癌剤の耐性についても評価を行っている。癌細胞が作製したマトリックス上では、特に5-フルオロウラシルに対する耐性が、通常の培養プレートと比較して200倍以上亢進していた。この結果は、作製した脱細胞化マトリックスが抗癌剤のスクリーニング用の細胞培養基板として利用できる可能性があることを示している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新設の研究室であるために平成24年度には評価系の立ち上げ、脱細胞化マトリックスの作製方法の確立を行った。その結果、評価系、作製方法の確立を平成24年度に行うことができた。しかしながら、テーマである歯根膜細胞を用いたマトリックスをいまだ作製していないため、やや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は実際に歯根膜細胞、間葉系幹細胞、線維芽細胞を用いて脱細胞化マトリックスを作製し、歯根膜細胞を培養する。培養した歯根膜細胞については、その接着性、増殖性、継代をした際の分化能について評価する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
主に、細胞培養製品の購入および間葉系幹細胞の購入に充てる。
|