研究課題
(SAMアルキル鎖長の影響)特定の官能基のアルキル基部分の鎖長を延長することにより、その官能基を表面から突き出る形となる混合自己組織化単層分子膜(SAM)を作成して、MSCの接着と増殖の促進を試みた。しかし、表面の凸凹はMSCの接着と増殖を抑制した。(表面官能基の接着促進の分子機構)安定的な細胞接着と増殖には、接着斑とストレスファイバー形成が必須である。これを追求するため、NH2, OH, COOH, CH3 single SAM上にMSCを播種して24時間後に接着斑を抗vinculin抗体とmicrofilamentに結合するrhodamine phalloidin で、ストレスファイバーをrhodamine phalloidinで染色した。表面OH基はこれらの形成に必須であった。他の官能基はこれらの形成を支持しなかった。ただしOH:COOH混合SAMはOH SAMと同様に形成を支持した。(再生医療でのMSCの増幅)化学的に規定化された培養皿と培養液にてMSCを大量増幅するためには、無血清での細胞の剥離と播種による継代が必要であるが、現在のところSAM上での継代は困難である。原因を調査中。(完全化学規定化培養法の他細胞への応用)ラット骨髄MSC, ラット骨芽細胞、ヒト線維芽細胞を無血清培地とSAMを使用して培養することに成功した。(糖鎖の影響)北海道大学の篠原教授との共同で、化学規定化無血清培地が、MSCの糖脂質合成系酵素の遺伝子発現を介して、糖脂質の組成を変化させることを見いだした。(遺伝子発現に及ぼすSAMの影響)マイクロアレー解析にて、SAMはMSCでのミトコンドリアの酸化的リン酸化経路の遺伝子発現を選択的に抑制した。したがって、SAM培養では、解糖系が亢進するとともにTCAサイクルが低下した。すなわちミトコンドリアでのROS産生が抑制され、幹細胞のstemnessの維持に有利であった。
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