研究課題/領域番号 |
24659880
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
臼田 慎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70445287)
|
研究分担者 |
河奈 裕正 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50224803)
大西 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80137984)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
口腔インプラント手術において,顎骨の骨質はその生着率に影響を及ぼすとされている.現在までの骨質分類はLekholm, ZarbやMischによる D1~4の分類が一般的であるが,これは,術者がドリリング時に感じる骨の硬軟を主観的に捉えたもので,例えば,D2とD3との違いの判断は他者に決して伝わるものではなく,診断基準としては曖昧である.また,骨質分類をCT値で代用する方法も報告されているが,それは画像上の情報であって,実際の手術で重要となるドリルの切削感を通じての情報とは異なるものである.すなわち,術者が術中に感じる骨質を他の歯科医師は感じることはできないので,ドリリング感覚(力覚)による評価やそれに付随する診断や治療方針も共有できないのが現状である.以上の問題点に着目し,われわれはハプティック技術3)を応用し,骨質に対する力覚を数値化するようなドリル開発を以前報告した.今回,そのドリルを使用し Misch のD1~4の分類で定義されている4種類の材料を用いて切削に対する数値化を行い検討した。結果は、バイラテラル制御を実装したロボットドリル切削システムを用いて, D1~4に属する4種類の材料についての切削力の違いを示すことを確認した.また,D4に属する発泡スチロール材の切削力はほぼ0であった.これによりD1~4分類を数値化にて判別できる可能性が示唆された.そして,それが予後に反映できるような新たな骨質分類を提案していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. ハプティック技術を成熟させ骨質の解析を行い,ナビゲーションシステムに用いる基礎データの構築. 切削力覚をリアルタイムで数値化し,術者に伝送,知覚させると共に,リアルタイムでの力覚の視覚的モニタリングと記録をするシステムを開発した。 2. 上記システムを用い,ブタ下顎骨を用いた骨質のデータ収集 これらの基礎研究を用いて皮質骨穿孔スキル,下歯槽神経損傷スキルを数値的に抽出,モデル化は現在検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
半自動アシストを行うロボットアームの開発 現在,大型のロボットアームの開発は終了しており、より細く,自由度が高いロボットアームを開発していく.
|
次年度の研究費の使用計画 |
未使用額の発生は当初購入予定であったトラッキングシステムが予算内での購入が難しく、現在代替機の選定中であり、状況によっては次年度予算との合算も考慮する。 また、ナビゲーションシステムの構築にコンピュータ、付属機器を購入予定。その他、現在の成果を国際学会で発表、英文投稿を予定している。
|