研究課題
11q13.3増幅ナビゲーションマイクロダイセクト口腔癌ゲノム構造解析前年度までに、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織からDNAを抽出し、蛍光色素ラベル法として化学標識法を用いた場合に投入DNA量が250ng程度で比較的良好なCGHマイクロアレイデータが得られることが明らかとなっていたため、さらに微量のDNAで検討したところ、投入DNA量を100ng程度まで減らしても同様なデータが得られることが判明した。また、マイクロダイセクトした微量サンプルから抽出した微量DNAを解析に用いる可能性について検討する予定であったが、口腔がん組織は比較的線維成分に富む密な組織でありレーザーによる切断に多くのレーザーエネルギーが必要である上に、利用を予定していたマイクロダイセクターの経年変化によるレーザー出力の低下という事態も加わり、実際のサンプルでマイクロダイセクトを効率的に行うことが難しかった。従って、マイクロダイセクトした場合にどの程度のDNA量が回収できるかの検討は行えなかった。そこで、マイクロダイセクションが可能となった場合を想定して、より微量なDNAでゲノム構造解析を行う方法として、次世代シーケンサーを用いたゲノム変異解析の可能性について検討した。Life Technologies社Ion AmpliSeq Cancer Hotspot Panel v2にてがん関連50遺伝子上の2800以上のCOSMIC変異を含むHotspot 領域を増幅しLife Technologies社Ion PGMにてシーケンスを行った。その結果、初期投入DNA量が15ng程度でも解析が可能であることが明らかとなった。口腔扁平上皮癌32症例の解析で30箇所15遺伝子の変異を認めた。この中でがん化との関連が既に報告されている変異としてKRASのコドン12変異(G12D)が1症例に認められた。
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