研究課題/領域番号 |
24659895
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三島 克章 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60304317)
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研究分担者 |
中野 旬之 九州大学, 大学病院, 医員 (60511730)
菅 北斗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40610621)
梅田 浩嗣 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教 (90610618)
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キーワード | レーザスペックル / レーザスペックル・フローグラフィー / 口蓋瘢痕 / 血流計測 |
研究概要 |
レーザースペックルを応用した口蓋の瘢痕を計測する装置を開発し、これを用いた瘢痕の定量化法の確立を目指して開始した研究である。将来的には、この計測法を口蓋裂患者へ応用し、上顎劣成長に対して行われる上顎延長術等の咬合形成を計画する際に、予知性の高い治療計画が立案できるシステム構築と、新しい咬合形成のための治療法の開発と初回口蓋裂手術の改良を目的としたものである。平成24年度までに開発できた血流計を用いて原理確認実験を行った。その結果、レーザースペックル・フローグラフィ(LSFG)の作成が問題なく行えることが確認できた。 平成25年度は、口腔内への応用を視野に入れた装置の改良を行った。その際に解決しなければならない問題点として、唾液によるテカリの問題、適切な波長の決定、装置の固定方法等が考えられ、この問題を検討し、改善を加えていくことで口蓋裂患者への適応を進めていく。 まず、唾液によるテカリの問題を解決するために、レーザーの波長を種々検討した結果、赤外光の方が安定した計測結果を得る可能性が高いと判断した。また、赤外は人体組織に侵入しやすい特徴を有しているため、可視光に比較して粘膜下の血流の追従に適していると判断した。そこで、レーザーの波長を980nmの赤外に変更した。これにより、計測装置の変更が必要となり、赤外光用ビームエクスパンダを追加し、ビームエクスパンダ径が大きくなったため装置のシャーシを調整した。これらにより、口腔内を計測可能な大きさにまで小型化できた。さらに、プログラム上の改善点として、計算をCPUの複数ある演算コアで並列演算するためにOpenMPと呼ばれるライブラリを用いて高速化を図った。演算速度は約2倍になっており、このことにより、実際の血流変化への追従性が向上した。
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