本研究においては、口腔扁平苔蘚に対する新たな疾患発症機構に基づき、新規治療法の構築を行うことを目的とした。その結果、基底細胞直下へのリンパ球浸潤機構については、基底細胞においてandrogen低下が起こる結果、estrogen/androgen imbalanceが惹起されることによりリンパ球誘導が起こることが明らかとなった。また、粘膜上皮病変の発症機構については、リンパ球から分泌されたTNF-αなどのサイトカインが基底細胞からのMMP-9産生を促進させることにより、基底膜が分解され基底細胞はアポトーシスに陥ることにより病変が発症することを明らかにした。
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