研究課題/領域番号 |
24659897
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中城 公一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314880)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | microRNA / 唾液 / 舌痛症 / 次世代シーケンサー |
研究概要 |
舌痛症は、器質的な変化が認められないにもかかわらず、舌に慢性的な痛み、しびれ、灼熱感などが生じる病気であるが、その原因については十分に解明されていない。一方、microRNA (miRNA) は癌など様々な疾患の発症に関与していること、また血清などの体液中に安定した状態で存在することが報告されている。そこで、本研究では舌痛症の発症に唾液中の miRNA が関与しているか否かについて検討を試みた。まず、舌痛症患者および健常者の唾液より miRNA を抽出し、次世代シーケンサーを用いて唾液中の全ての miRNA を定性定量解析した。すなわち、抗真菌薬、ビタミン剤、抗うつ薬、漢方薬など薬物療法に抵抗性を示し、かつサクソンテストにより唾液分泌量の低下を認めない舌痛症患者 (2 名) と同年代同性の健常者 (2 名) の唾液 0.2 ml より miRNeasy Mini Kit (Qiagen) を用いて miRNA を抽出した。つづいて、抽出した miRNA より cDNA library を作成し、デスクトップ型次世代シーケンサー MiSeq (illumina) にて small RNA 解析を行った。その結果、ヒト唾液中には miR-1246 が最も多く、その他約 150 種類程度の miRNA が含まれていることが明らかとなった。しかしながら、舌痛症患者と健常者由来の唾液で明らかに異なる miRNA は検出されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
舌痛症患者由来の唾液検体数がまだ十分収集できていない。
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今後の研究の推進方策 |
舌痛症患者の唾液検体数を増やして次世代シーケンサーおよびマイクロアレイにて miRNA の網羅的発現解析を行う。その結果を 定量的 RT-PCR (qRT-PCR) 法にて検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たに舌痛症患者 (30 名) と健常者 (30 名) の唾液より miRNA を抽出する。次世代シーケンサーおよびマイクロアレイ解析にて各群の唾液 miRNA の正確なプロファイリングを決定する。つづいて、その結果を qRT-PCR にて検証する。最終的に、qRT-PCR にて舌痛症患者に共通かつ特異的に増減する唾液 miRNA を舌痛症関連 miRNA として同定する。さらに、これら miRNA の標的遺伝子と口腔粘膜上皮細胞における機能を探索する。
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