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2012 年度 実施状況報告書

細胞競合に立脚した口腔扁平上皮癌の早期診断・予防方法の開発に向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24659898
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関高知大学

研究代表者

山本 哲也  高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)

研究分担者 笹部 衣里  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40363288)
山田 朋弘  高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (60335619)
吉村 友秀  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (80452697)
北村 直也  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70351921)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞競合 / 口腔扁平上皮癌 / SPARC
研究概要

【緒言】細胞競合とは、適応能の低い細胞が排除され、適応能の高い細胞が増殖する現象であるが、多中心性癌の発生にこの細胞競合が関与している可能性が考えられる。近年、Matricellular proteinの一つであるSecreted Protein Acidic and Rich in Cysteine(SPARC)が細胞競合に関与していることが明らかにされてきたことより、口腔扁平上皮癌の発癌におけるSPARCを介する細胞競合の関わりについて検討した。
【方法】正常口腔粘膜、口腔白板症、上皮内癌および早期浸潤癌の計73例の切除標本を用いて、SPARCの発現を免疫組織化学的に評価し、細胞異型等との臨床的事項との関連を検討した。
【結果】
1)正常口腔粘膜ならびに口腔粘膜疾患の上皮細胞におけるSPARCの発現:正常口腔粘膜に比べ、白板症、上皮内癌および早期浸潤癌ではSPARCの陽性率が有意に高値で、白板症においては細胞異型が強くなるにつれ上皮細胞でのSPARCの発現が増強した。
2)口腔扁平上皮癌(OSC)細胞およびヒト正常角化(PHK)細胞におけるSPARCの発現:いずれの細胞においてもSPARCは発現されていたが、その発現程度は細胞により異なっていた。siRNAによりSPARCの発現はノックダウンされ、発現ベクターの導入にてSPARCの発現は増強された。
【結論】SPARCは、癌細胞の増殖・浸潤を促進することにより癌の進展に重要な役割を演じていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床材料を用いた免疫組織化学染色による検討は完了し、培養細胞を用いた検討の準備もほぼ完了し、In vitroの実験も一部は実施していることよりおおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

株化口腔扁平上皮癌(OSC)細胞および正常角化(PHK)細胞を用いてSPARC をsiRNAにてノックダウンあるいはSPARC発現ベクターにて強制発現させたときの増殖および遊走能について検討するとともに、 SPARC導入細胞と非導入細胞を共培養したときの細胞競合を観察する。さらに、これまでの検討をMyc発現細胞あるいはMycノックダウン細胞を用いて行なう。

次年度の研究費の使用計画

研究費に関しては、siRNAやSPARC発現ベクターなどは平成24年度にすべて準備しているので、平成25年度の研究費は細胞培養、トランスフェクション、ブロッティング、スクラッチアッセイなどの消耗品に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の発癌ならびに進展におけるSPARCの関わり

    • 著者名/発表者名
      山田朋弘、大野清二、笹部衣里、長崎敦洋、北村直也、山本哲也
    • 学会等名
      第66回NPO法人日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
  • [学会発表] 口腔扁平上皮の発癌におけるSPARCを介した細胞競合の関わり

    • 著者名/発表者名
      山田朋弘、大野清二、笹部衣里、山本哲也
    • 学会等名
      第25回日本口腔診断学会、第22回日本口腔内科学会合同学術大会
    • 発表場所
      学術総合センター 一橋記念講堂(東京都)
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の発癌におけるSPARCを介した細胞競合の関わり

    • 著者名/発表者名
      大野清二、山田朋弘、笹部衣里、山本哲也
    • 学会等名
      第12回KMS Research Meeting
    • 発表場所
      高知大学医学部看護学科棟2F(高知県)

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公開日: 2014-07-24  

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