胎生期の組織を用いた研究は、組織再生のメカニズムを知る手がかりとなる。我々は、胎生期組織から細胞を分離し、in vitro で再構成させるモデルを開発し、組織学的に観察した。胎齢 13.5 日の胎仔マウスより顎下腺を摘出し、単一に分離した細胞を高濃度で I 型コラーゲンゲルやマトリゲル中に滴下しフィルター上で培養したところ、細胞塊より分枝形成、続いて管腔形成が観察できた。単一化細胞を腎被膜下に移植しても細胞塊は組織構築を示した。この培養系では、胎生期の顎下腺細胞はその構造を再構築する機能を持ち、胎生期の唾液腺分化過程をある程度再現できることが示された。
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