研究課題/領域番号 |
24659901
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50165180)
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研究分担者 |
出張 裕也 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00381260)
道振 義貴 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00457722)
宮崎 晃亘 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10305237)
荻 和弘 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (40433114)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 口腔がん / 幹細胞 / ワクチン |
研究概要 |
がん幹細胞マーカーに関しては全てのがん幹細胞に共通するマーカーは明らかではなく、口腔扁平上皮癌のがん幹細胞マーカーとしてCD44陽性細胞が報告されているが、議論のあるところである。本研究では口腔扁平上皮癌細胞を材料にALDH1(アルデヒドデヒドロゲナーゼ1)強陽性細胞とSP細胞(サイドポピュレーション)をがん幹細胞として分離し、検討を行った。ALDH1強陽性細胞は細胞株により多少のばらつきがあるものの、約10%が分離可能であった。SP細胞はALDH強陽性細胞よりやや低く、約4%程度分離可能であった。口腔掩蔽上皮癌細胞からのがん幹細胞の分離は本研究の最も重要な計画の1つであり、これを用いて幹細胞マーカーの発現を検討した。 上記の方法で分離した細胞群のうち、ALDH1強陽性細胞ではSOX2, Nanogの発現がmRNAレベルで上昇していることが確認された。さらに、NOD/SCID免疫不全マウスで造腫瘍能を検討したところ、高い造腫瘍能を示した。以上ことから、ALDH1強陽性細胞群には幹細胞の特徴をもった細胞が分離されているもとの考えられた。ALDH1強陽性細胞と弱陽性細胞を比較するため、マイクロアレイによる網羅的解析を行ったところ、分化に関するいくつかの遺伝子で発現の上昇が認められた。現在、がん幹細胞の特徴に関与すると可能性のある候補遺伝子を検討中である。 SP細胞に関しては分離可能であるが、ソーティングにより細胞数が1%未満に減じてしまい、アッセイに必要な十分な細部の確保が難しい現状があるものの、インプット量を増加させ解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最も重要な要素に口腔扁平上皮癌細胞におけるがん幹細胞の分離、同定がある。アルデフローアッセイ、サイドポピュレーション法、CD44などのマーカーをもちいる方法を組み合わせて、口腔扁平上皮癌のがん幹細胞を分離している。現在までALDH1強陽性細胞に関してほぼ解析が終了しており、SP細胞やCD44陽性細胞との共通点や相違点を解析し、口腔扁平上皮癌のがん幹細胞の同定に進める段階に入りつつあり、当初の予定にあった進捗状況と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
アルデフローアッセイ、サイドポピュレーション法、CD44などのマーカーをもちいる方法で分離した細胞をマイクロアレイを用いて網羅的解析をおこない、遺伝子レベルでの共通点と相違点を明確にし、口腔扁平上皮癌におけるがん幹細胞の特徴を明らかにする。 ELISPOT assayにより、口腔がん幹細胞を標的としたALDH1特異的CD8+T細胞を誘導する。 SPフラクションの同定では数%のレベルでSP細胞を確認できるが、分離する段階で細胞数が1%未満に減じてしまうことから、イプット数を増加させ、アッセイに必要な細胞数を確保する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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