研究課題
挑戦的萌芽研究
われわれは腫瘍内に正常型血管網を再構築することで、確実なドラッグデリバリーシステムの構築や、低酸素化の改善ができると仮説をたてた。そこで、担癌マウスに正常血管内皮細胞を移植することで、血管網を再構築できるかどうかの研究を行った。ヒト扁平上皮癌を移植したSCIDマウスにシスプラチンを投与し、腫瘍および腫瘍血管を一部退縮させる。次に、その場所に正常内皮細胞や内皮前駆細胞を移植した。すると、移植した細胞と宿主側の血管に吻合がみられ、血流の回復や低酸素化の改善が認められた。さらに、正常血管を再生させた腫瘍の成長速度は通常腫瘍より遅いことがわかった。本研究は今後の新しい癌治療戦略になると考えられた。
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