研究課題
挑戦的萌芽研究
白板症における角化異常(すなわち角化亢進)が、細胞外カルシウム感知受容体(CaSR)における遺伝子変異の蓄積に起因している可能性に着目し、口腔白板症にて切除された28例についてPCR法およびダイレクトシーケンス法を用いて上皮細胞のCaSR遺伝子の遺伝子配列を解析し、変異の有無を正常粘膜21例と比較した。口腔白板症症例にてコドン990等に変異を認めたが、正常粘膜に認める割合との有意差は認めず、特異的な変異も認めなかった。CaSRは上皮細胞の分化を制御していることが明らかとなっており、大腸癌の分化に重要な役割を果たしているとの報告もあることから、今後検討をさらに重ねていく必要があると思われる。