幹細胞を用いた組織再生療法には、幹細胞の維持と再生組織構成細胞の持続的な産生のバランスが非常に重要である。血管内皮細胞は、骨髄組織において造血幹細胞の維持と前駆細胞の産生バランスを保つための微小環境が存在し、血管性ニッチとよばれている。しかしながら、この血管性ニッチが、血管内皮細胞から分泌される様々な因子によって、機能維持されている詳細なメカニズムは不明な点が多い。我々は血管性ニッチにおいても重要な役割を演じていると考えられているWntおよびヘッジホッグシグナルに注目し、未分化間葉細胞における両分子シグナルを解析することにより、効率的な骨芽細胞誘導能を示す新規小分子化合物を発見した。
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