研究課題/領域番号 |
24659909
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
上岡 寛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80253219)
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研究分担者 |
柳田 剛志 岡山大学, 大学病院, 助教 (90534793)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ミオスタチン / 筋肉 / ACVR2 / 骨リモデリング |
研究概要 |
従来、筋組織と骨組織は機械的刺激を介して関連をもつことが知られている。実際、骨組織は、機械的刺激によりその形態を変え、内部の構造をも変化させる。その機序として骨組織中の骨細胞が機械的刺激の感受細胞として働き、骨表面の骨芽細胞および破骨細胞に骨形成、骨吸収を行うように指令している。一方、筋組織は骨に付着することによって、機械的刺激を発揮しており、その両者は位置的にも密接している。よって、筋組織と骨組織の間に何らかの液性因子が働くと仮定した場合、その密接した3次元的環境から、筋組織から産生されるミオカインは、効率よく骨組織に影響を与えることができると考えられる。一方、近年、ミオカインの一つであるミオスタチンの遺伝子が欠損したマウス、牛では、筋肉量が倍増することが報告された。筋肉量の増加と共に骨の成長も報告されたが、これは、従来の考えに従って、増加した筋肉によって生じた機械的刺激に伴った変化と解釈されてきた。しかしながら、本年、アメリカ骨代謝学会にて、機械的刺激の影響の少ない頭蓋骨においても、その骨量の増加がみられることが報告された。これは、これまで検討されたことのない、筋組織から骨組織への機械的刺激を介さない新たな経路の可能性を秘めていると考えられる。そこで、本年度はミオスタチンに競合するACVR2の歯槽骨内投与と実験的歯牙移動モデルWaldo法の実験系を確立した。また、骨形成を評価するために、骨細胞ネットワークの広がりを評価する骨形態計測法を確立した。さらに、石灰化速度や骨形成率の評価系の準備をおこなった。in vitroにおいては、骨芽細胞株MC3T3-E1のアルカリフォスファターゼ活性を指標にACVR2の影響を検討した。現在結果を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ACVR2の影響を検討するための、in vitroならびに in vivoの実験系を確立しており、さらに、その評価系も整えており、研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度整備されたin vivoならびにin vitroの実験系を用いて、ACVR2ならびにミオスタチンの骨形成への影響を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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