研究課題/領域番号 |
24659911
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
香西 克之 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10178212)
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研究分担者 |
光畑 智恵子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (10335664)
大原 紫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (80634469)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Streptococcus mutans / Degradosome / 環境適応 / Biofilm |
研究概要 |
う蝕の原因菌の1つであるStreptococcus mutans(以下SM)は、バイオフィルムを形成し、その中で様々な環境ストレスに適応して生存し、う蝕の発症に関わっている。環境適応に際し、遺伝子発現レベルにおいて広範囲な制御が行われ、定常状態を呈していると考えられるが、その1つの方法としてdegradosomeと呼ばれるmultiprotein complexの形成が行われ、これによる制御がおこなわれているかどうかについて明らかにすることを目的としている。構成タンパクの1つであるenolaseを軸にSMでの複合体を形成するタンパク質の探索を行う系を進めている。 Enolaseはglucose代謝系の1酵素であり、う蝕予防で頻用されているフッ化物のターゲットとされている。フッ化物に対する感受性は各標準株で異なっていることからenolaseにおいて何らかの違いが関与している可能性があるために SM標準株としてUA159、UA130、LM7などを用い、PCRにてenolaseのcloningを行い、cDNAを作成し、DNAシークエンスの確認を行った。シークエンスを比較したところ、ポイントミュテーションが認められ、アミノ酸レベルで異なっている部分があることが明らかになった。以後の実験に使用するタンパク産生用vector並びにFLAG vectorへの組換えを行い、constructを作成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初実験計画で使用を予定していたbacterial two-hybrid systemの販売中止によりSM cDNAライブラリーを用いての複合体候補タンパク質のスクリーニングを行うことができなくなったことから計画の修正を行うこととなり、免疫沈降法あるいはpull down assayによりターゲットタンパク質を探索する準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
構成タンパクの1つであるenolaseを軸にSMでの複合体を形成するタンパク質の探索を行う系を進め、Degradosomeの形成が行われているかどうかを明らかにするとともに、SMをacid-stress, oxidative-stress, Starvation-stress条件下で培養し、コントロールと比較し、ストレス時に増減するタンパク質の探索を行い、環境適応に対する細菌内調節機所を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究遂行にあたり、本年は遺伝子解析並びにタンパク質発現解析等を行う必要があるが、機器類は教室内並びに中央研究室で使用ができることから機器類の購入を行う予定はなく、薬品・試薬類、抗体などの消耗品費として使用する。
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