研究課題
歯周病は、切迫早産や早産・低体重児に影響を与えていると考えられているが、どのような歯周病原細菌が関与しているかについては不明な点が多い。東京医科歯科大学医学部付属病院周産診療科を受診している切迫早産28名と健康対照妊産婦36名から、口腔内のプラークサンプルと唾液を採取した。また、出産時に胎盤を回収保存した。そして、サンプル中のAggregatibacter actinomycetemcomitans (A.a.), Porphyromonas gingivalis (P.g.), Tannerella forsythia (T.f.), Treponema denticola (T.d.), Fusobacterium nucleatum (F.n.) and Prevotella intermedia (P.i.)歯周病原細菌をTaqman-probeを用いたReal Time PCR法にて定量した。また、末梢血から血液を採取し、歯周病原細菌に対する血清IgG抗体価をELISA法にて測定した。その結果、プラークサンプル、唾液、胎盤において、歯周病原細菌の検出には個体差が認められた。胎盤からは、定量RealTimePCRにてプラーク中のP.g.とT.f.が、切迫早産群で有意に高い値を示した。また唾液中のP.i量が切迫早産群で有意に高い値を示した。血清抗体価に関しては、抗P.g.血清IgG抗体価が切迫早産群で有意に高い価を示した。口腔内のP.g., T.f., P.i.の存在が切迫早産に影響を与えている可能性が考えられた。また、歯周病原細菌はどの菌も胎盤に到達することが出来ることが確認された。抗P.g.血清IgG抗体価の上昇が切迫早産と関連していたことから、抗P.g.抗体価が生体になんらかの影響を与えている可能性が示唆された。
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