研究課題/領域番号 |
24659929
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
永井 淳 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70252989)
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研究分担者 |
坂上 竜資 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50215612)
大城 希美子 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (50610979)
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キーワード | 難培養性細菌 / 慢性歯周炎 |
研究概要 |
難培養性菌種を含む歯肉縁下プラーク試料の提供者の歯周炎の病態は、細菌群集の病態との関わりを知るうえで重要な情報であることから、臨床的観察を継続して行なってきた。急性症状を伴わなず、緩徐に病状が進行する病態であることを確認しているところである。 国外研究者によって、Prevotella copriの腸内定着と関節リウマチとの関連が指摘されたことから、本菌の口腔内局在についての追加検索を行った。試料の一部から抽出精製したゲノムDNAを用いて得た16S rRNA部分シークエンスならびにHuman Micorobiome Projectの歯肉縁下細菌叢のシークエンスを対象に本菌の生息状況の検索を行った。関節リウマチに罹患していない提供者由来の歯肉縁下プラーク試料に、Prevotella copriは遍在していないことを確認した。また、マウス腸管内細菌叢においても、調べた限りの報告では本菌種の塩基配列を検出できるデータは見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無菌動物の系統の選択や前処置が、腸内へ定着し、回収される菌種に与える影響を確認しておく必要が生じたので、本年度は細菌群集の腸内への移植の条件設定に時間を費やすこととなった。そのため、当初の計画よりも進行の遅れが生じているが、条件が決定されれば目的の達成に向かって順調に進行できると予想する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、細菌群集の腸内への移植の条件設定を行ったことで、研究遂行上の課題をクリアできたと考えている。 計画最終年度にあたり、16S rRNA部分塩基配列を用いた群集解析ならびに血清抗体の精製などを進めることで、難培養性菌種の濃縮・単離に取り組む予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
試料の塩基配列解析に係るシーケンシング委託費は、塩基配列解析の進捗に応じて、試料を一括で処理して塩基配列を行うことから、解析委託費に関しては支出の時間差を生じるものである。すなわち、試料を取りまとめて解析一回分として委託するため、本年度分予算からの支出とならなかった。 試料の塩基配列解析に係るシーケンシング委託費として、次年度に一括して支出を行う計画である。
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