研究課題/領域番号 |
24659937
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40295861)
|
研究分担者 |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 硫化水素 / gasotransmitter / 関節炎 |
研究概要 |
近年の先駆的研究から、内在性の硫化水素(H2S)は一酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)に次ぐ、第三のガス性シグナル伝達物質(gasotransmitter)として注目され始めており、炎症応答における役割について研究が進められているところである。H2Sは関節滑液中にも見いだされており、関節の炎症症状との関連も報告されている。関節の炎症病態における伸展刺激や荷重刺激の果たす役割は生理学的・病理学的意義は重要であるが、これら物理的刺激による細胞が産生するH2Sの動態については報告がない。 関節の軟骨に対する伸展刺激のin vitroのモデル系として、ヒト軟骨芽細胞様細胞株ATDC5をInsulin-Trans-Sel-Xにより軟骨芽細胞に分化2週間後にストレッチチャンバー上に播種し、自動伸展装置STB-140を用いて伸展率20%、6回/分の徐油研で伸展刺激下にて培養したところ、2~4時間後から硫化水素産生酵素cystathionine-β-synthase(CBS)のmRNA発現量が上昇した。また、培養液中のH2S濃度をフリーラジカルアナライザーTBR4100で測定したところ、 8時間後以降から確認することができた。これに加え、培地中のH2O2とNOも同時に測定したところ、H2Sと同様に濃度が上昇していた。 これらのことから、軟骨芽細胞に伸展刺激を加えるとH2O2、NO、およびH2Sの産生が誘導されることが明らかとなった。今回の知見に基づき、ガス性シグナル伝達物質としてのH2Sが機械的刺激に対する細胞応答において果たす役割について今後検索していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由)伸展刺激により、当初予想していた硫化水素酸成功その発現が上昇したことを発見したため。
|
今後の研究の推進方策 |
硫化水素産生酵素のノックアウトマウスを用いた実験を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
硫化水素産生酵素のノックアウトマウスを用いた実験を行う。
|