研究課題
細胞が産生する一酸化窒素が細胞の機能に様々な影響を与えることが発見されて以来、細胞の生理的・病理的状態を内因性のガス性因子により説明しようとする考えは、近年多くの研究者に受け入れられるところとなり、これまでの先駆的な研究成果から、一酸化窒素、一酸化炭素、及び硫化水素ガス性シグナル伝達物質として知られるようになった。歯周疾患の病態の進行において、細菌由来の外因性硫化水素が炎症を進行させる可能性は示唆されているが、内因性硫化水素の炎症応答における役割は不明な点が多い。マウス血管内皮細胞株UV-♀2細胞を用いて、ストレスチャンバー上に播種し、自動伸展装置STB-140にて伸展率20%、6回/分の条件下で伸展刺激を加えたところ、4時間後に硫化水素産生酵素cystathionine-β-synthase (CBS)のmRNAの発現量が3倍に上昇した。また、活性酸素種産生酵素のNox2の発現は0.8倍上昇した。一方、一酸化窒素産生酵素eNOSの発現量は変化がなかった。また、同様の実験を、Insulin-Trans-Sel-Xにて2週間培養して、軟骨芽細胞に分化させたヒト軟骨芽細胞様細胞株ATDC5細胞についても行ったところ、伸展刺激2~4時間後からCBSのmRNAの発現量が上昇した。これらのことから、細胞に伸展刺激を加えると内因性硫化水素の産生が誘導される可能性が強く示唆された。
すべて 2013
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