研究課題/領域番号 |
24659938
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
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研究分担者 |
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
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キーワード | 唾液検査 / レセプト / 医療費 / 口腔保健 / 唾液ヘモグロビン / 歯周病 / 菌血症 / ペリオシンドローム |
研究概要 |
レセプト電算処理システムを用いた新しい疫学研究デザインに基づく調査研究は生活習慣病の原因分析に画期的な進歩をもたらしている。一昨年および昨年度の研究で、研究代表者らは医科のレセプト電算処理システムを利用した小規模観察研究を実施した。 初年度(平成24年度)は、愛媛県公立学校共済組合、愛媛県教育委員会、調査対象となる公立学校の選定ならびに研究拠点として愛媛県歯科医師会館内に事務局の設置を行った。更に、レセプトの電算処理に対応する歯科用コンピュータソフトを開発した。愛媛県教育委員会および対象となる公立学校への訪問説明を実施した。平成25年度は愛媛県公立学校共済組合の協力を得て、高等学校の教職員61名(35人の男性、26人の女性;平均年齢46歳)に対して2項目の唾液検査(唾液ヘモグロビンと唾液中乳酸脱水素酵素)を実施し、医科のレセプト電算処理システムに記録されているレセプトと6ヶ月間突き合わせた。その結果、歯肉炎のマーカーである唾液中乳酸脱水素酵素(LDH)の数値が高いと医療費(レセプト)が有意に多い事が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子カルテ情報を管理するコンピュータからのデータの書き出しは、タグ付きのCSVファイルで出力される。このCSVファイルの形式では、そのまま、EXCEL等のソフトに取り込むことは不可能である。また、電子カルテ情報には個々の薬剤名、処置名等の解析不能なデータが多く含まれる。そこで、CSVファイルから、タグの認識により不必要な部分を削除し、分析に必要な情報のみを取り出し、出力するプログラムファイルの作成が不可欠である。平成24年、25年度の研究で作成したプログラムにより出力したデータをデータベースソフトに取り込むことが可能になった。大規模なデータベース構築を行い、分析可能な状態のファイルを作成する環境が整ったので、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
既に協力体制を確立している高齢者入居施設総数43施設において、健康状態が良好で、研究協力への同意を得た後期高齢者400名を対象に介入試験を実施する。グミを用いた咀嚼機能測定器で、咀嚼機能が基準値(100mg/dL)以下の高齢者について歯科医師の診断と治療を受けるシステムを構築する。試験群の高齢者に通常の物理的口腔清掃に加えて化学的清掃法(3DS)と生物学的清掃法(プロバイオティックス)を追加して対照群の通常の口腔ケアとは次元の異なる質の高い口腔ケアを実施する。歯科補綴治療と質の高い口腔ケアを提供すれば医療費を削減できることをレセプト調査で明らかにする。
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