研究課題/領域番号 |
24659945
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳沢 節子 信州大学, 医学部, 准教授 (90200534)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スピリチュアルケア |
研究概要 |
平成24年度については、長野県内の神経難病療養者についての精神的ケアおよびスピリチュアルケアの実態を明らかにするための情報を得るため、長野県内の神経難病患者の診療を行っている関係者で開催している神経疾患ケア研究会において意見交換および情報収集を行った。また、神経難病療養者本人及び家族の精神的ケアおよびスピリチュアルケアの実態を把握するため、平成24年11月4日に信州大学医学部附属病院で行われた「中信地域難病患者・家族の集い」にスタッフとして参加し、難病と診断された患者・家族における、精神面のケアおよびスピリチュアルケアの必要性について情報収集を行った。さらに、平成25年2月9日に行われた難病患者のコミュニケーション支援研修会において、企画・運営スタッフとして関わり、難病療養者に関わる病院・施設、在宅医療関係者と情報収集・意見交換を行った。これらの情報により、ALS(筋委縮性側索硬化症)等、病状の進行に伴いコミュニケーションをとることが困難になることは、関わるスタッフにとって療養者の精神的苦悩・葛藤がとらえにくくなることにつながり、それとともにスピリチュアルペインとそのケアに関わるスタッフの苦悩にもつながっていることが推測された。これらについて調査することの必要性が示されたと考える。 平成24年12月に行われた日本看護科学学会学術集会に参加し、情報収集を行った。ALS以外の疾患についての報告があったが、スピリチュアルな側面についての報告はほとんど見当たらなかった。さらに国内外の神経難病患者のスピリチュアルケアの実態についての文献検討を行った。 以上の情報をふまえて、①医療機関、在宅支援に関わる専門職者に対して、スピリチュアルケアに対する現状把握、②患者・家族に対してスピリチュアペインとケアについての質問紙を作成し、妥当性を高めるため質問項目の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度内に保健・医療・福祉関係者への質問紙調査および患者・家族への質問紙調査を行う予定であったが、様々な病態の難病があるため、それらの患者の状況も反映できる調査用紙の作成が必要であると考えており、質問紙の項目検討及び妥当性の検討に時間をかけているためである。 25年度については、チームケアシステムにおける支援方法の試案を作成するためにモデルを選定し、i-Padを購入し、貸与しながら、関係者間の情報共有の方法について評価・検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
25年度については質問紙調査を実施し、結果を分析・評価し、それらの結果よりスピリチュアルケアの現状をふまえて、チームケアのニーズを分析する。また、スピリチュアルケアのチームケアシステムを構築するため、信州大学医学部附属病院を中心とするe-MADOの利用の可能性およびiPadを用いての情報提供の方法について検討する。これらについては現在e-MADOを利用している療養者の現状把握とニーズの調査・分析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画では、24年度に実施予定であった質問紙調査を研究の進捗状況より、25年度に実施することにしたため、関連施設との打ち合わせ費用(10万円)および資料整理補助の謝金(10万円)については、次年度使用額が生じた。これらについては、25年度研究費に追加して使用することとする。 25年度については、チームケアシステム構築に向けて、関係者との打ち合わせを行うため施設に出向くなどの費用(5万円)とする。また、iPad(5台608千円)を用いての情報提供、共有の支援方法の試案を作成するためモデルを選定し、iPadを貸与して活用方法の評価・検討を行う。それらの資料整理補助に謝金(43千円)を使用する。
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