研究課題/領域番号 |
24659946
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松田 好美 岐阜大学, 医学部, 教授 (10252149)
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研究分担者 |
高橋 由起子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90313915)
岩田 美智子 岐阜大学, 医学部, 助教 (10612616)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心肺蘇生 / 教育 / ポートフォリオ・システム |
研究概要 |
本年度は、文献検討と共に新大学入学生及び在学生に対して、現在までに「心肺蘇生の実践能力の知識の程度」「知識の獲得状況」及び「実施への意志」「実施への不安」などについてどのような内容を学習してきたかを調査し、本研究期間に行う質問紙調査内容を検討した。心肺蘇生は繰り返すことにより習熟する技術であり、一度の学習での習熟は難しい。応募者が行った大学生へのCPRについての意識調査でも、CPRが必要な状況で「心肺蘇生法を行うことができない理由」として「自信が無い」と答えた学生が90%以上であった。 成人に対する心肺蘇生の知識確認(新入学生52名、在学生78名)では,言葉の説明やAEDの機能や心肺停止時の状況によって行動がどのように変化するかなどに対する設問への誤解答が多かった。AEDの解説の強化が必要であることがわかった。実施への意志を表明したものは、新入学生では全員、在学生では52名(66.6%)であり、蘇生の実施を行う個人の意志や教育体制そのものが確立されていないといえる。本研究では、授業と時間外グループ学習をコラボレーションし,継続した教育を目指している。調査内容は、医療従事者を意識し、以下の内容で行う予定である。 ・安全の確認 ・意識の確認 ・助けを求める ・気道確保 ・呼吸の確認 ・人工呼吸の施行 ・脈拍の触知 ・胸骨圧迫の施行(圧迫部位、回数、正 しい手技)・AEDの原理と使用方法(手順、注意事項) ・以上の手順の正し い順番での施行 ・心肺蘇生法の続行 ・心肺蘇生法の中止 ・バックバル ブマスクの使用方法 ・心肺蘇生実施の意思
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究期間に行う質問紙調査内容の検討に時間を要した。質問紙調査人数は予定より多く行うことができたが、中学・高校で心肺蘇生の授業が行われている(中学・高校の学習指導要領の中で目標及び内容として提示されている)と考えていたが、行われていない。在校生においては「自動車学校」での知識の獲得・実施をあげているものが大半であった。実施訓練は平成24年度から通年に渡って行う予定であったが、平成25年度からとする。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度にできなかった実施訓練・評価を以下の内容で実践していく。 1.モデル人形を使用する第1回の学習前の質問紙調査及び訓練の実施:1年生:①研究参加者希望者に対し,今までの心肺蘇生教育の履歴を,質問紙を使用し聴取する。②平成24年度に作成した質問紙調査(エビデンス含む)を行う。 2.訓練の実施:①モデル人形を使用した心肺蘇生の演習(時間外グループ学習・地域の教育資源) 3.評価:各訓練ごとにポートフォリオ及び質問紙テスト、ビデオ内容で評価する。 ①技術に対する評価方法:ビデオ撮影及びレサシアンシュミレーターを使用する ②ポートフォリオの利用方法と評価方法「*ポートフォリオの目的と効果について説明する(応募者)*時間外学習グループにて、応募者は常に近くで見守る」 1)質問紙調査により、各自目標を決定し記載する(被験者) 2)1年間の行動計画を記載する(被験者) 3)実践と評価を繰り返す(実践には必ず「そのときの気持ち」も記載する)技術評価となる質問紙テスト、ビデオ内容(結果)もポートフォリオに組み込む。 観点:目標を意識していたか、エビデンスはあったか、行動プロセスが見えるか、行動改善はあったか、気持ちのプロセスがあるか、(伝えたいことが明瞭か、実際に役立つか)。
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次年度の研究費の使用計画 |
「該当なし」
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