研究課題/領域番号 |
24659946
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松田 好美 岐阜大学, 医学部, 教授 (10252149)
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研究分担者 |
高橋 由起子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90313915)
伊藤 美智子 岐阜大学, 医学部, 助教 (10612616)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心肺蘇生 / 教育 / ポートフォリオ・システム |
研究実績の概要 |
本研究では、授業と時間外グループ学習をコラボレーションし、ポートフォリオを使用した継続した教育を目指している。 本年度は、新たに8名の研究協力者を得て半年間の調査を行っている。知識や実施への意思等に関しては質問紙により「心肺蘇生の実践能力の知識の程度」「知識の獲得状況」「実施への意志」「実施への不安」「困難の内容」等を調査している。技術に関しては、モデル人形を使用し、安全の確認・意識の確認・助けを求める・呼吸(脈拍)の確認・胸骨圧迫の施行・AEDの使用方法・バックバルブマスクの使用等を調査している。また適宜学習を行い、知識と技術のの獲得を目指している。今後継続的にに1年間の経過を観察調査していく予定である。 半年間の調査結果では、20名の看護学生において知識テストでは6ヶ月後に有意な差はなかった。しかし内容において胸骨圧迫中断タイム、一般市民における心肺蘇生の順番について間違う学生が多く、6ヶ月後も中断タイムについて1/3が間違えていた。技術については、安全確認等の失念、呼吸確認の短い確認、通報の依頼を確実に行えない、などが挙げられていた。また胸骨圧迫の平均的速度が6ヶ月後に120回/分以上、胸骨圧迫の深さが6ヶ月後に50mmに達しない学生が有意に多くなっていた。深さが達しない理由として、2分間の胸骨圧迫が大変疲れると全ての学生が述べている。AEDに関しては有意差はないが、最初に電源を入れることを失念する、安全確認を声に出して確認できない学生が多かった。ポートフォリオに関しては、各学生が全ての「心肺蘇生」に関する記事等を集められてはいないが、知識テストの結果やスキルレポータモデルを使用した技術結果のデータや不明な知識やできなかったこと、その理由等を記載した記事を収集できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度終了予定であったが、研究協力者である対象者人数が不足したため、平成27年度までの延長承認申請書を提出し、承認された。研究目的に関しては、ポートフォリオの内容をこのまま続行して行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度までに半年間の調査結果の確認を行ったが、今後はポートフォリオの内容について続行する予定である。その後、1年以上のデータについてまとめ、行動特性や思考特性を分析していく予定である。本年度は、半年間の結果を学会へ発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度からの研究協力者5名の分析はすでに行ったが、対象者の人数が不足し、一般的な結論には至らなかった(26年4月報告済)。平成26年度に研究参加人数を増やし現在プラス8名の協力を得て、半年間の調査はすでに行っている。継続的に経過を追っていく研究のため、1年間経過をみる必要がありビデオ解析も必要である。また1年間の経過分析の結果を看護学会で発表する予定であったため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
ビデオ解析と看護学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとする。
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