研究実績の概要 |
平成27年度は、看護学生を対象に心肺蘇生訓練後の知識と技術についてできなかった内容を自己記載させ8月に学会発表した。全員が過去に訓練を受けており、自動車講習所などでも訓練を受けていた。知識テストにおいては、6ヶ月後は有意な差はなかった。内容では胸骨圧迫中断時間、一般市民における心肺蘇生の順番について間違える学生が多く、6ヶ月後も中断時間について間違えた学生が1/3あった。技術については、安全確認等を失念する、呼吸確認を2,3秒のみの短い確認、通報の依頼を確実に行えない、などが挙げられていた。また胸骨圧迫の平均的速度が6ヶ月後に120回/分以上、胸骨圧迫の深さが6ヶ月後に50mmに達しない学生が多くなっていた。深さが達しない理由として、2分間の胸骨圧迫が大変疲れると全ての学生が述べていた。AEDに関しては有意差はないが、最初に電源を入れることを失念する、安全確認を声に出して確認できない学生が多いという結果であった。 1年間の継続したデータ収集者は、13名(5+8名)であり、1年半の継続したデータ収集者は5名であった。 また、看護学生27名を対象に、ビデオ教材を用いた胸骨圧迫のみの心肺蘇生講習会をスクーマン群15名、レサシアン群12名で行い、教育効果の評価を講習前後及び3ヶ月後に、胸骨圧迫を2分間行い、客観的数値(深さ・リコイル・速さ・手の位置)と知識テスト(10点)を比較検討し、シンポジウムで発表した。スクーマン群とレサシアン群の比較では、講習前の手の位置に有意差があったが他は認めなかった。講習前後及び3ヶ月後の比較では、深さが50mm以上に達している割合が両群3時期とも40%以下であったが、スクーマン群の講習前後で有意な差があった。リコイルは時期による有意差は無く、手の位置は講習前より講習後に改善がみられた。知識テストにおける両群の比較)では、すべての時期において有意差はなかった。
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