研究課題/領域番号 |
24659948
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究分担者 |
北脇 知己 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (40362959)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | めまい / 平衡感覚認知 / フィジカルアセスメント / アセスメント技術 / 多次元モデル分析 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、身体バランス保持力と個人特性心理的・身体的反応との関係を調べるために、2つの実験を行った。 1.立位姿勢保持時の二次元重心動揺と個人特性との関係 ロンベルグ試験時の重心動揺を測定し、立位保持時にはどのような身体動揺が見られるか、また、姿勢保持力が心身の関連要素とどのように関係するかを調べる目的で20歳代の健康学生67名を対象に1グループの事前事後比較デザインで調べた。安定立位時とロンベルグ立位時の重心動揺計測にはWii fit(任天堂)のバランスボードを利用した。想定される身体動揺関連因子(一般状態、足底長等を含む体格情報、運動歴、めまい体験、身体動揺への慣れの有無)について問診した。また、めまい症状による気分不快度を調べるためにProfile of Mood States (POMS)短縮版を、さらに、めまい・ふらつき、頭痛、吐き気、不安の程度をVisual Analogue Scale (VAS)(0-100)で評価した。その結果、ロンベルグ試験時は2~4cmの身体動揺が見られること、またロンベルグ試験時の身体動揺度は身長と足底長との間に軽度ながら有意な相関があることが明らかとなり、ヒトの立位保持能は体格の影響を受ける可能性が示唆された。 2.椅子回転によって誘発した一過性めまいの程度と、めまい関連多次元要素との関係 1.の研究対象のうち32名で、回転椅子を10回転/15秒間の回転速度で椅子を10回転させて一過性のめまいを誘発したさいの、姿勢保持回復力が心身の関連要素とどのように関係するかを1.と同様の方法で検討した。現在、1)同一対象の反復測定による立位姿勢保持力の普遍性、2)めまいによる重心動揺と立位姿勢保持力との関係、3)めまいによる重心動揺と個人特性との関係、の3点について詳細な分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は研究課題細目毎に倫理審査を申請し、実験及び調査デザイン(観察とインタビュー)によるデータ集種を行う予定であったが、倫理審査の承認を得るまでに想定以上の時間を要したこと、また研究代表者の体調不良により研究を一時中断したことから、生理指標を観察する実験を予備的試行までしか進めることが出来ず、予定していたデータ収集を完遂できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は研究課題を完遂すべく、「健常者の平衡感覚認知要素の組織的測定方法の検討」、「めまい症状のある患者の多次元的アセスメント」の追加実験並びに観察(含インタビュー)のためのデータ収集を行い、成果発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は研究課題細目毎に倫理審査を申請し、実験及び調査デザイン(観察とインタビュー)によるデータ集種を行う予定であったが、倫理審査の承認を得るまでに想定以上の時間を要したこと、また研究代表者の体調不良により研究を一時中断したことから、生理指標を観察する実験を予備的試行までしか進めることが出来ず、予定していたデータ収集を完遂できなかったため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は研究課題を完遂すべく、「健常者の平衡感覚認知要素の組織的測定方法の検討」、「めまい症状のある患者の多次元的アセスメント」の追加実験並びに観察(含インタビュー)のためのデータ収集を行い、成果発表することとし、未使用額はその経費に充てることとする。
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備考 |
このホームページは、研究代表者が運営する他のホームページ(疼痛ケアネットワークhttp://www.totucare.com/)のトップページにタイトルを貼ってリンクさせた。このホームページには「めまい」に生理学的知識と本研究で得られた研究データを掲載し、研究者や一般の人々が「めまい」に関心を持ち、めまい症状で苦しむ人々への理解を深めてもらうことを目的としている。
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