研究課題/領域番号 |
24659948
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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研究分担者 |
北脇 知己 関西医科大学, 医学部, 教授 (40362959)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | めまい / 平衡感覚認知 / フィジカルアセスメント / 多次元モデル分析 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、課題とする「めまい症状のある患者の多次元的アセスメント」の健常者における基礎研究として昨年度の追加実験を行い、ヒトの立位保持能は身体容積の部分比(足底面積や肩幅、手足の長さなど)の影響を受けることが分かった。また、回転椅子で健常者に一過性のめまいを体験させる実験でも、めまい回復過程と生来の立位姿勢保持能との間に関係がある可能性が示唆された。 今年度はさらに、1名の慢性めまい患者の継続的生活観察(インタビュー)を遂行した。原因を特定しにくいめまい症状に対して,医療者は通常,症状が起こってから,その症状を緩和するための対処を行っているに過ぎず、医学モデルにおいても,めまいの治療法は確立されていない現状が明らかになった。その原因として,こうした症状は,単に病態生理学的原因だけ生じているのではなく,患者の心理的特性や対人関係,さらには生活習慣,生活環境など複雑な要素が影響し合って生じている可能性が考えられた。つまり,症状が起こる前後の関連要素を組織的に調べることにより,症状発生の引き金となっている要素があるか,あるいはどのような要素が関連し合うとき症状を来しやすいか,など症状の発生予防や軽減に繋がる知見が得られる可能性がある。この事例を通して、原因不明のめまい症状は、環境移行や予期せぬ生活出来事、人間関係問題など、日常生活習慣のストレッサーとなるような心理的・社会的変化が影響して出現すると推測し、これを証明するには「ケースクロスオーバー研究」という研究手法が有用な方略である可能性を見出した。
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備考 |
疼痛ケアネットワークホームページのトップページにリンクを張り、そこから入れるようにしている。
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