研究課題/領域番号 |
24659953
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
佐藤 政枝 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (30363914)
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研究分担者 |
小西 美和子 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (60295756)
笠原 康代 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (00610958)
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遠隔看護 / 実践知 / 事例データベース / 専門職連携チーム / 臨床判断 |
研究概要 |
本研究の目的は、遠隔看護チームの実践知(知識・技術・臨床判断)を可視化・構造化し、イントラネットによるチーム内での共有化・創造化が可能な事例データベースの構築を行うことである。本年度は、以下の検討を行った。 1)臨床判断に関する文献検討:国内外における、遠隔看護および多職種チームの連携と実践知に関する文献レビューを行い、エビデンスを整理した。 2)事例データベースの構成に関する検討(知識・技術の相互提供):現在、臨床応用に向けた試験的導入の段階に入っている「外来患者のセルフモニタリング力を高める遠隔看護実践モデルの構築」および「臨床応用に向けた遠隔看護システムの開発」の遠隔看護実践の窓口となる専門職(看護師・医師・理学療法士)より、実践知・臨床判断に関する情報提供を受けた。上記より得られた知見を参考に、事例データベースの構築およびインタビュー調査に関する準備を進めた。 3)専門職の臨床判断に関するインタビュー調査・参加観察調査の準備:遠隔看護実践による介入事例を通して専門職が行う臨床判断のプロセスを、アルゴリズム(判断樹の構成)としてデータベース化するために、インタビュー調査および参加観察調査を予定している。今年度はプレテストとして、看護師1名に聞き取り調査を実施した。その結果、看護師は医療チームの連携を常に意識し、患者と専門職を繋ぐ調整役を担おうとしている一方で、チームの情報の共有化という点では、有効なシステムを有していないことが示唆された。 4)個人情報管理・セキュリティ対策の検討:事例データベースは、医療施設内のイントラネット上での運用となるが、実在する患者個々の事例を取り扱うため、システムの運用に向けて、クリニックと密に連携し、個人情報の管理・セキュリティ対策に関する検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
専門職への聞き取り調査が予定したいた時期よりも遅れている部分もあるが、全体の計画としてはおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、遠隔看護実践による介入事例を通して専門職が行う臨床判断のプロセスを、アルゴリズムル(判断樹の構成)としてデータベース化するためにインタビュー調査および参加観察調査を行う。調査の対象者は、人工股関節全置 換術を受ける患者および糖尿病患者の看護・治療に関わる専門職であり、半構成的インタビューおよび臨床場面での参加観察を行う。 事例データベースでは、臨床応用に向けた試験的導入の段階に入る「外来患者のセルフモニタリング力を高める遠隔看護実践モデルの構築」のフィールドであるクリニックの専門職(看護師・医師・理学療法士)より、実践知・臨床判断に関する情報提供を受ける。上記より得られた知見を参考に 、研究者間および連携研究者との十分な話し合いのもと協働してデータベースの構築に関する準備を進める。また、事例データベースは、医療施設内のイントラネット上での運用となるが、実在する患者個々の事例を取り扱うため 、システムの運用に向けては関係機関と密に連携し、個人情報の管理・セキュリティ対策に関する検討を行う。 可能な限り有識者の意見も得ながら、患者の権利や倫理的な観点から、個人情報の管理とセキュリティ対策について検討を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は、主に調査研究と事例データベースの構築にあてる。調査では、フィールドとなるクリニック(大阪市)までの交通費、調査に必要な消耗品の購入費、謝品の購入等が必要となる。また、事例データベースの構築についても、専門職からの情報提供への謝金やプログラミングの外部委託に使用する予定である。
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