研究課題/領域番号 |
24659953
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 政枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30363914)
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研究分担者 |
小西 美和子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60295756)
笠原 康代 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (00610958)
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護実践 / 実践知 / 知の可視化 / 患者教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、遠隔看護チームの実践知を可視化・構造化し、チーム内での共有化・創造化が可能な事例データベースを構築することを目的とする。平成26年度は、看護師、医師および多職種で構成される遠隔看護チームと外来患者との双方向交流のプロセスを検証するために必要な「遠隔看護システム:THAケアネット」が改修作業により使用不可となったことから、看護師の患者教育に対する認識と実態に関する以下の調査を行い、その現状および課題を明確にするとともに、看護チームの実践知(知識・技術・臨床判断)について検討した。 ■看護師の患者教育に対する認識と実態に関する調査(担当:佐藤、小西、川口、笠原) 【研究方法】関東圏の中規模病院に勤務する看護師を対象に、無記名自記式の質問紙調査を行った。本研究は、所属機関の倫理委員会の承認を得て実施した(通知番号:26054)。調査内容は、先行研究を参考に患者教育に関する56項目とした。 【結果】1)基本属性:看護師761名の年齢は、20代、30代、40代が各3割程度であり、女性が9割以上を占めた。経験平均年数は、現職が4年、看護師全体では12年であった。2)患者教育の実際:患者教育の担当者は「プライマリーナース」は26%と低く「当日の担当看護師」が7割を占めた。主な内容は「合併症の予防」「体重管理」「生活習慣」「服薬」「病気の知識」であった。形式は「個人指導」が9割で、手段は「口頭」「パンフレット」が7~8割であった。勤務時間に占める患者教育の割合は2割強と低く、障壁として「看護師の人員不足」「ケア時間の不足」が6~7割を占めた。3)患者教育に対する認識:全体の6割が「患者教育が苦手である」、7割強が「患者教育についてお手本にできる看護師がいる」と回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他の研究で開発を進めている既存の「遠隔看護システム:THAケアネット」の修正作業が大幅に遅れたことから、遠隔看護による介入研究を行うことができず、結果として「看護師、医師および多職種で構成される遠隔看護チームと外来患者との双方向交流のプロセスから、事例毎に専門職の実践知を抽出して構造化を行う」という計画を遂行することが不可能となった。したがって、当初に予定していた平成26年度の研究計画を急遽変更し、看護実践における患者教育の実態に関する調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の課題としては、「遠隔看護システム:THAケアネット」の修正作業が遅れており、今後、介入研究から新たなデータを得ることが難しい状況である。研究計画を変更し、これまでの遠隔看護実践における蓄積データから、医療側と患者側の相互交流のプロセスを拾い出し、実践の知の可視化に向けた検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究で開発を進めている既存の「遠隔看護システム:THAケアネット」の修正作業が大幅に遅れたことから、遠隔看護による介入研究データによる分析を行うことができず、次年度への繰り越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額についてはすべて、データ分析と事例データベース作成のための研究のまとめに使用する予定である。
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