研究課題/領域番号 |
24659956
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
北山 幸枝 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20419740)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 教授 (60198124)
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キーワード | 褥瘡 / 発生機序 / 低蛋白血症 / 病態モデル |
研究概要 |
H24→25年度時点で、第2のResearch Questionとして設定した、「栄養状態低下動物モデルにおいて、褥瘡発生(カテゴリ/ステージI )時に、皮膚および皮下組織がどのように変化しているのか?」について、さらに経時的に観察をすすめた。 しかし染色過程で組織が捲れる問題が多数の試料において発生し、パラフィン伸展後の乾燥や賦活処理条件を変更するなど、観察可能な組織標本作製に想定以上の時間を要した(そのため48~72時間後の組織観察については現在継続中)。 現時点までに明らかになった結果は、次のとおりである。創作製(加圧終了解除)30分後の資料について、a.圧迫部:P,b.境界部P側:Ep,c.境界部N側:En,d.正常部:Nの4箇所について組織学的観察をおこなった結果、 1)免疫組織化学染色CC3aでは、どの部位においてもアポトーシスを示す顕著な所見はみられなかったが、2)免疫組織化学染色HMGB1では、b.境界部P側:Ep(97.7%)>a.圧迫部:P(96.9%)>c.境界部N側:En(81.5%)>d.正常部:N(0%)のように、部位によるダメージの違い(勾配)がみられた。 このことは前年度の、創作製(加圧終了解除)直後の結果と大きく変わらなかったが、前回は詳細な観察には至らなかった非圧迫部をさらに細分化した観察により、圧迫部位に近い境界部に最も大きな侵襲が加わっていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
染色過程で組織が捲れる問題が多数の試料において発生し、パラフィン伸展後の乾燥や賦活処理条件を変更するなど、観察可能な組織標本作製に想定以上の時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き48,72時間経過時点において、免疫染色HMGB1(ネクローシス所見)およびCC3a(アポトーシス所見)の観察を行うと同時に、特に肉眼的に表皮剥離と真皮層の潰瘍化が全例に発現する48時間の時点で双方起こりかたに着目して、引き続き観察を継続し、結論を出す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度に、BrdU免疫染色を行い、その観察結果を解析し創傷治癒学会において発表する予定であったが、熱傷動物モデルにおける免疫染色HMGB1およびCC3aのほうが本研究で明らかにしたい目的をより的確に観察できることに着目し、染色手法の計画を変更した。 しかし、染色過程で組織が捲(めく)れる問題が多数の試料において発生し、パラフィン伸展後の乾燥や賦活処理条件を変更するなど、観察可能な組織標本作製に想定以上の時間を要した(そのため組織観察が現在進行中)。 上記のため、観察結果の解析と学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費(外注による追加組織標本作製および特殊染色にかかる需要・役務費含む)に充てることとする。
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