研究課題/領域番号 |
24659958
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
成瀬 和子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70307122)
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キーワード | 外国人看護師 / 頭脳還流 / インドネシア人EPA看護師候補生 / Return Migration |
研究概要 |
平成24年度に実施したインタビュー調査の結果をまとめ、10月16‐17日にソウルで開催された9th International Nurisng Conference で発表した。学会では臨床看護における研究がほとんどであり、同様な研究を行っている研究者はいなかった為、情報交換等はできなかった。 学会発表に先立ち、9月14日に国際看護研究会第16回学術集会で集会長を務めたが、テーマを「外国人看護師の質の担保について考える」として、EPA看護師候補生の受入の現状について討議した。現状では、候補生の研修は日本語学習にとらわれがちで看護の質につながる研修は難しい状況が多くの施設であることが伺えた。したがって彼らが帰国後どれだけ日本での研修成果を活用できているかは不明な点が多く、更なる調査の必要性を認識した。 また、インドネシア看護師教育機関協議会の看護教育カリキュラムを入手し分析を行った。その結果、コアカリキュラムとしては幅広い分野をカバーされているが、コアコンピテンシーのカバー範囲が40-80%と幅広く、教育機関の裁量範囲が結果的に20-60%と、つまり教育機関によってカリキュラムが大いに異なることがあり得ることが明らかになった。これはインドネシアが多くの島で構成され国土も広く、地域特性が非常に多様であることによると考えられる。しかし、日本に来る看護師は都市部から来る人が多いと推測され、協議会のカリキュラムを元に考えると、発達課題や健康課題に基づいた看護を提供するコンピテンシーが弱いと考えられる。 平成24年度の調査結果を元にWEB調査を行うべく質問票を作成・翻訳していたが、平成25年度中に調査を実施できなかったため、現在早期実施に向けて業者と調整を行っている最中である。今後は5月中にインターネット上でWEB調査を開始する予定であるが、サンプル数100を目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学術集会の準備等で多忙であったことと、平成25年度にスリランカで看護師対象にnurse migrationについて調査する予定が急に入ったための準備で、WEB調査実施までたどり着けなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、5月中旬にWEB調査開始予定をしている。終了はサンプル数により最長2ヶ月を見込んでいる。匿名のWEB調査であるため多重回答を回避することは難しいが、業者やインドネシア人協力者と相談しながら対策を練っている。またフェイスブックやtweeterなどのSNSを活用しながらEPA看護師候補生のネットワークを利用してサンプリングをする予定である。 収集したデータとともに、現在のインドネシア・フィリピン・ベトナムで行われている新しい来日前の研修スキームおよび来日後の研修モデルをあわせて分析し、外国人看護師の能力開発およびキャリア開発につながるような研修モデルを提言する。 調査結果に関しては、WEB上に一定期間自由に閲覧可能な形でアップし、本研究の実績についても英文報告書を作成し、自由に閲覧できるようにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はWEB調査の経費を計上していたが、WEB上に調査HPを作成するところまで至らなかったため、その分の経費が未使用になっている。 平成26年度は、25年度分のWEB調査用経費を使用予定であるが、消費税値上がりもあり当初予算よりも費用が嵩む見込みである。また最終年度で、研究をまとめ結果をWEB上にアップするための翻訳・HP関連費用、学会発表関連費用および人件費を計上している。
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