平成25年度は、平成24年度の研究結果をふまえ、臨床看護研究支援のためのセミナーを企画し、実施および評価を行うことで、臨床看護支援システムの精錬、支援センターの運用に向ける土台作りをおこなった。 本年度4回の研究支援セミナーを開催し、公募によって臨床看護師21名の受講生がセミナーに参加した。各セミナーは看護研究を行う上で基本的なテーマとし、毎回講義の後、各研究班に別れて担当教員の個別支援を受ける形式を取った。テーマ別に7つの班を構成し、班毎にResearch Questionの精錬、文献検討、研究方法の選択、研究計画書の作成、倫理委員会申請書類の作成、分析支援、研究結果のまとめ支援、研究結果の記述、抄録の作成、プレゼンテーションサポートを行った。定例のセミナー以外に数回のセッションおよびメールでの支援を各班が適宜提供した。セミナー最終日には、研究支援を受けたそれぞれの成果を発表することができた。 セミナーの受講と継続的な支援によって、7つの研究班が事件や調査を実施し、プレゼンテーションまでこぎつけることができた。また参加者へのアンケートによると、全員が今後の研究活動に役に立つと回答しているものの、分析や報告書の作成の段階になると理解や実施が難しいと感じていることが分かった。セミナーの内容は全員が希望に合っていたと回答しており、48%のものは「とても希望に合っていた」と回答した。研究指導が具体的になると、参加者は達成することの困難感を感じはじめ、自身の研究能力に疑問を感じていることがインタビュー調査によって明らかになり、文献検討以下すべてのプロセスにおいて、大学等の研究者が研究推進を具体的にサポートすることなしには一定レベルでの学会発表は困難であることが推測された。
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