研究課題/領域番号 |
24659962
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
水田 真由美 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (00300377)
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研究分担者 |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
鍋田 智広 東亜大学, 人間科学部, 講師 (70582948)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ロールモデル / 看護教育 |
研究実績の概要 |
看護学生のロールモデルの実証的調査に基づく看護教育プログラムの開発を行うことを目的とする。 24年度にはロールモデルの設定に及ぼす要因を検討し、学生が自己の行動に意識を向けることで現実の文脈を意識したロールモデルが形成されることが示唆され、自己焦点化を支援することの重要性を明らかにした。次に、実習経験が初心者の目標管理を促進するかどうかを検討し、実習経験により限定された行動や特性を達成するために多くの努力をするように調整することが明らかとなった。また、ロールモデルに関する基礎研究を実施し、批判的思考の影響を示す知見を得た。 25年度は、24年度の知見を元に教育プログラムを作成し、批判的思考を取り入れた思考訓練を実施することで、ロールモデルを適切に立てられるかを検討した。ロールモデル形成のための教育プログラムとして、批判的思考を習慣化するプログラムを実施する。学生のうちに看護師としての成長を育むことができるような目標を立てられるように、成長の目標となるロールモデルを立てる経験をし、将来意識的に目標をもって成長できる能力を育成することを目指したプログラムを設計した。このプログラムは、これまでに得た自己への焦点化や経験の重要さを踏まえた上で、日常的に目標を言語化し、それを批判的に考える経験をする。 批判的思考を用いてロールモデルを考えるプログラムを実施した結果、思考を刺激する質問の方が事実を確認する質問に比べて多かった。今回、事実確認の質問は視点の切り替え時に認め、視点の切り替えをしていた参加者は、看護師について問いなおすことができていた。一方で視点の切り替えと事実確認の質問が少ない参加者は、思考を深めようとする質問はするが看護師を問いなおすことが少なかった。視点の切り替えとそれに伴う事実確認がロールモデルの形成に関与している可能性が示唆された。
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