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2012 年度 実施状況報告書

点滴静脈内注射の血管外漏出の有無の客観的判定指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659973
研究機関金沢医科大学

研究代表者

松井 優子  金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)

研究分担者 坂井 恵子  金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60454229)
真田 弘美  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
須釜 淳子  金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
紺家 千津子  金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
木森 佳子  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30571476)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード血管外漏出 / 点滴静脈内注射 / 早期発見 / 赤外線サーモグラフィー / 超音波診断装置
研究概要

点滴静脈内注射における血管外漏出を早期に発見するための手段として、血管透視機器、超音波診断装置、赤外線サーモグラフィーによる画像を使用した判別方法の開発を研究目的とした。臨床での調査に先駆けて、健常者1名での調査を行った。点滴静脈内注射を行った場合と血管外漏出と類似した状況である皮下注射におけるそれぞれの画像を比較した。その結果、超音波診断装置と赤外線サーモグラフィーで血管外漏出が描出できることが確認できた。
超音波診断装置では静脈留置針が描出でき、静脈留置針の先端が静脈内にある場合と静脈外にある場合とが判別できた。また、漏出した薬液が皮下組織内に侵入する様子が画像上で判別可能であった。しかし、この画像は鮮明度に欠けているため、訓練された研究者が漏出前と漏出後の画像を比較した際に判別することは可能であるが、臨床現場で勤務する看護師がこの画像で血管外漏出の有無を判別することは困難であると判断した。
赤外線サーモグラフィーでは、静脈内への滴下開始後に静脈に沿った温度低下が描出され、皮下注射開始2分後には皮下組織内の薬液漏出部分の温度低下が描出された。赤外線サーモグラフィーは患者の皮膚に接触することなく画像を得ることが可能であり、臨床でも患者や医療者への負担が少ない。このことから、赤外線サーモグラフィーは血管外漏出が容易に判別でき、血管外漏出の早期発見に活用できる可能性を見出した。
今後は、健常人ならびに臨床で点滴静脈内注射を受けている患者を対象に、感度と特異度ならびに実用可能性の検証を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

調査に先立ち、実際に血管外漏出が発生した場合にそれぞれの機器でどのような画像が得られるのか、漏出していない場合との鑑別がどの程度可能かをあらかじめ確認しておく必要があった。このため、まず健常者1名を対象に、点滴静脈内注射時と漏出時の状態を血管透視機器、超音波診断装置、赤外線サーモグラフィーで撮影した。血管透視機器では判別可能な画像は得られず、超音波診断装置では静脈留置針の先端は描出できたものの、漏出した際の皮下組織の画像は臨床で使用するには十分な鮮明度ではなかった。最後に、赤外線サーモグラフィーを使用して点滴静脈内注射と皮下注射の際の画像を比較したところ、短時間で漏出の判別が可能な画像が得られた。これらの過程で数か月の期間を要した。
その後、健常人ならびに臨床での患者を対象にした調査に向けての倫理審査において、臨床医の協力と救急体制が整備された施設内で実施することが条件として提示されたため、実施施設と臨床医への説明と依頼に期間を要した。

今後の研究の推進方策

超音波診断装置の画像を血管外漏出の判定基準とし、赤外線サーモグラフィーの画像で血管外漏出の判別が可能か、感度と特異度ならびに実用可能性の検証を行う。第1段階として健常者6名を対象とし、第2段階として臨床で点滴静脈内注射を受けている患者を対象に実施する予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究成果発表のための旅費(東京)および物品費

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公開日: 2014-07-24  

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