研究課題/領域番号 |
24659973
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
松井 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)
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研究分担者 |
坂井 恵子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60454229)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
木森 佳子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30571476)
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キーワード | 血管外漏出 / 点滴静脈内注射 / 早期発見 / 赤外線サーモグラフィー / 超音波診断装置 |
研究概要 |
点滴静脈内注射における血管外漏出は、潰瘍などの皮膚障害を引き起こすため、早期に発見し漏出量を少なくすることが重要である。現在臨床における血管外漏出の有無の評価は、患者からの痛みの訴え、看護師による針先周囲の腫脹の有無の観察、滴下状態の観察などにより行われているが、いずれも確実性が低い。そこで、血管外漏出の有無の客観的評価指標の開発を目的に、健常者6名を対象にサーモグラフィーを用いて血管外漏出を鑑別できることを検証した。漏出モデルとして、前腕の皮下組織に留置針を刺入し輸液ポンプを用いて生理食塩水を1.7ml/分で滴下した。対照群として、反対側の前腕の静脈内に留置針を刺入し、同様に滴下した。漏出モデルであることの確認として、超音波診断装置を用いて留置針先端が皮下組織にあることを確認し、さらに生理食塩水の滴下前後で皮下組織の厚さが増加していることを確認した。評価として、生理食塩水の滴下開始から10秒毎にサーモグラフィーを撮影し、漏出モデルと対照群との画像を比較した。また、滴下中に対象者が感じる痛みの程度を10秒ごとに観察した。その結果、漏出モデルでは6名全員に滴下開始2分以内に針先を中心に広がる円形の低温域が出現した。また、対象者6名中5名においてナースコールを押そうと思う程度の痛みを感じる前にサーモグラフィーでは漏出の有無を鑑別できた。サーモグラフィーにより非接触的かつ迅速に点滴静脈内注射の血管外漏出が鑑別できる可能性が示唆された。
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