研究課題/領域番号 |
24659975
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
藤井 徹也 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50275153)
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研究分担者 |
篠崎 惠美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (50434577)
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50222170)
国府 浩子 熊本大学, 生命科学研究科, 教授 (70279355)
酒井 一由 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (90215583)
原 好恵 椙山女学園大学, 看護学部, 講師 (20441397)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フィジカルアセスメント / 看護教育 |
研究概要 |
平成24年度は1)臨床看護師が実践しているフィジカルアセスメント(以下:PAとする)内容の把握、2)看護系大学院の専門看護師課程でのPA教育内容の把握、3)Advanced PA教育コンテンツの抽出を目的に研究を行った。 目的1)および2)に関して、国内外の書籍・文献や参加した学会での情報を基に研究者間で検討した。その後、目的1)についての質問紙を作成した。質問項目は、対象者の背景、PAに必要な形態機能の知識と実践状況とした。その後、中核都市の200床程度の総合病院で勤務する看護師で協力を得ることができた21名に調査を行った。PA教育の受講について16名があるとし、13名が看護師基礎教育課程で学んでいた。PA知識がわからないと回答した内容は、循環器系「心音」や「動脈拍動と脈拍」、呼吸器系「呼吸に関する神経」、腹部「肋骨脊柱角」、脳神経系「錐体外路と錐体外路症状」、筋骨格系「骨格筋の運動」、口腔「大唾液腺の位置」などであった。また、循環器系の実践では、「I音とII音の同定」、「II音の分裂の確認」で52%の看護師がわからないと回答していた。また、口腔に関する知識については、「他者にも教えることができる」と回答した看護師が1~2名と他の系統・部位よりも低い傾向にあった。一方、目的2)は、研究者間で「特定看護師(仮称)」の確立への進捗状況を確認しながら、質問紙内容の検討を進めている。目的3)については、目的1)の知識不足が高い内容に関連する形態のデータの収集を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床看護師に関する調査については、開始をしており、PA教育コンテンツの必要な情報の検討を進めている。専門看護師課程に関する把握については、特定看護師教育の確立の状況を確認しながら進めていたため、平成24年度に調査の開始ができなかたったが、大よその方針が把握できたことで、質問内容検討は開始しており、次年度で把握できると考える。PA教育コンテンツに関しては、必要な知識の説明文やデータの収集を実施できている。これらのことから、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は全国の特定機能病院に対して、PAに関する知識・実践状況を調査し、記述統計を行う。その後、対象者の背景のPA教育経験の有無、専門看護師・認定看護師の有無と各項目間と、各系統・部位別の知識・実施状況間について、χ2検定を用いて特徴を把握する。また、看護系大学院の専門看護師課程のPA教育の現状について、質問紙調査を郵送法で行い、記述統計、χ2検定、クラスカル・ウォリス検定を行い「画像データの活用を含むPA教授内容」「教育担当者の属性」「教授に関する問題点」に関して、分析と検討を行う。PA教育コンテンツに必要な項目を検討と同時にAdvanced PA教育アプリの開発を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費については、データ流出防止のためにデータ保存および解析用のノート型パソコン、情報収集のため書籍、アプリケーション開発のためのiPAd2、データ整理に必要なUSBおよび事務用品、調査用の封筒などの購入を計画する。 旅費は、研究成果の発表と研究者間の打ち合わせ、調査依頼の移動として計画する。 人件費・謝金については、調査用紙発送業務およびデータ入力の人件費や、画像の提供や読み取りに必要な専門知識提供に関する謝金を計画する。 その他では、調査用紙発送・回収費および研究者間での連絡用郵送費、情報収集に必要な文献複写費として計画する。 また、「特定看護師」養成に関する具体的な方針決定後に各調査を開始予定であった。しかし、具体的な方針が示されず、平成25年3月に報告書が出された。これをうけて次年度調査をすることとなったため、平成24年度の調査に必要な予算が残高となった。
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